看護記録の書き方のキホン

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状況説明が適切でない表現

たとえば、家族に用があり連絡をした場合、
「家族に連絡したが、捕まらず」と記載するのは不適切です。

 

「捕まる」と言う言葉は、「とらえられる」と言う意味であることから、
家族などとの連絡には不適切です。
家族の誰に、どのような方法で連絡をしたのか、
その結果どうだったのかを明確に記載します。

 

×「家族に連絡したが、捕まらず」→ 〇「自宅の夫に20:30に電話連絡をしてが、留守電になっていた。
やむを得ず、留守録に「支給、〇〇病棟に連絡をください」と入れておいた。」

 

と、いうように記載します。

その他不適切な表現になりがちな項目/状況説明が適切でない表現例

×「ナースコール頻回」→ 〇「「布団をかけてほしい」、「〇〇を取って」など、一時間に10回のナースコールがあった。」

 

ナースコールをしてきた患者のニーズの内容や回数を明確にし、
誰もが状況判断が可能な記載のしかたをします。

 

×「必要時に看護師介助」→ 〇「トイレ、更衣などを具体的に看護介助が必要な場面について明確に記載」

 

看護師介助の場面が、看護師個々の判断になってしまい、
統一した援助を行うことができません。
「必要時」がどのような状況であるかを明確に記載します。
(トイレ歩行は車椅子介助とする、清拭・更衣は患者さんに疲労や苦痛の表情があるときに全面解除とするなど)

 

×「血糖値165でスライディングにはひっかからない」→ 〇「血糖値165mg/dl、スライディングスケールの基準値に至らない。」

 

スライディングスケールの値と関係について記載する場合、
「ひっかかる」という言葉は、悪いことや面倒なことという意味を含むので使用しません。
血糖値の単位も適切に記載します。

 

×「ベッドから転落しているところを発見」→ 〇「巡視時に、ベッドの足元で、ベッドに寄りかかるように座り込んでいるところを発見した。」

 

転落した状況を直接見たわけではありません。
患者さんが自分でベッドから降りたのか、転落したのか不明です。
患者さんがベッド下にいたからといって、必ずしも転落したわけではないことから、
「転落した」と推測をして記載するのではなく、
発見時の状況を記載するようにします。

 

×「レベルいまひとつ」→ 〇「意識レベルU-10」から変化がない。」

 

憶測、想像、個人的な見解の記載は避け、客観的な記載を心がけます。
また、「レベル」とは、「意識レベル」であることを明記し、
スケールを用いて表現します。

 

×「多量」・「中等量」・「少量」→ 〇「「〇〇ml」、「〇〇g」、「オムツに付着する程度」、「ベッドパットに約〇〇cmの染み」」

 

看護師個々の見解で「多量・中等量・少量」の状態観察の結果は異なってしまいます。
具体的な量を記載するようにします。
記載基準で観察項目ごとの観察結果表記を明確に定め、それに則った表現を用いて記載することも推奨されます。

 

×「汚い痰」→ 〇「「黄色粘稠痰」、「黄緑色の粘稠痰」」

 

痰の性状や色は「汚い」で表すことはできません。
客観的な表現を心がけ、色や性状が分るように記載します。