看護記録の領域別実施基準の記録
看護師は、対象となる患者さんの特性に応じて系統的アプローチを行い、
必要とされる看護を実施することが必要です。
そして、看護記録には、そうした特性に合わせた記録を行うことが大切です。
老年看護領域の看護記録
老年看護領域の高齢の患者さんは、肉体的にも精神的にも日々変化します。
その変化を具体的に記録し、本人が言語により表現できない場合も、
表現している行為をありのままに看護記録に記すことが大切です。
そして、その行為を看護師がどのように解釈したかを記録することも大切です。
また、家族についての情報を記録する事も、老齢看護では大切なことです。
高齢者の変化によって生じる家族の役割の変化を、
家族が理解し受け入れているかどうかを情報共有することが必要です。
療養病床を有する病棟の看護記録
療養病床を有する病棟では、看護師以外にも様々な職種の職員が働いています。
ですが、看護記録は診療録の一部なので、有資格者である看護師が記録しなければなりません。
看護師の指示の元に、看護実践の一部を看護補助者が行った場合は、
看護師が看護補助者の報告を受け、看護師が記録します。
その場合は、看護補助を実施した人の名前も明確に記録します。
看護師は業務上知り得た情報についての守秘義務を遵守しなくてはなりません。
ですから、看護師と看護補助者と情報を共有する場合には、
看護補助者に対する業務スケジュールや指示簿を作成し、
業務を指示したうえで、実施・結果・報告を受けて、
評価や記録は看護師が行います。
その際、患者さんのプライバシーの権利は保護するように、
十分留意することが大切です。
小児看護領域の看護記録
小児看護での一連の看護実践過程の記録は、看護師の思考と行為、
そして子供の反応を示すものになります。
ですから、子供の権利(人権・教育・親権・養育)や家族関係などの子供を取り巻く環境に十分配慮をすることが大切で、
看護師の一方的な判断にならないように、特に客観的に記録される必要があります。
養育者から入院前の子供の普段の行動や反応について情報を収集し、
入院後の変化を継続して観察し、記録をします。
発達段階に応じたその子供の表現方法を理解し、
子供が言語や行動で表現したことをできるだけ、ありのままに記録することが重要です。
そして、その行為を看護師がどのように解釈したかを記録することも大切です。
疾病や病状、治療、検査などについて、
発達段階に応じた分りやすい方法で子供に説明した場合は、
その全過程を記録しなければなりません。
疾病などに対する理解力が不十分で、
治療や検査などの決定権が子供の養育者にある場合は、
養育者が子供の現状をどのように受け止めているかについて理解し、
面会時の子供へのかかわりや、医療者との対応についても記録する必要があります。
精神科看護領域
患者さんの表現をどう理解したかを明らかにすることが求められます。
看護実践過程の記録だけでなく、
患者さんの表現をありのままに記載する工夫も大切です。
そして、その行為を看護師がどのように解釈したかを記録することも大切です。