クリニカルパスの構成要素
クリニカルパスの基本は、縦に治療・ケア項目を並べ、
横を時間軸としてステップや期間で区切ります。
各ステップごとにアウトカム(目標・ゴール・大項目)や成果指標(小項目)を設定します。
●実施記録
実施記録は、予定された治療や処置、看護ケアに実施入力をします。
電子カルテでは同時にコスト入力されます。
●フローシート入力
フローシート(経過一覧表)は、標準化するためにパスごとに観察項目がセット化されたものを使用します。
●アウトカム設定
アウトカム設定は、治療・看護・リハビリテーションのゴールなど、
患者さんが達成すべき項目を設定します。
アウトカムの種類には、「臨床性アウトカム」、「機能性アウトカム」、
「経済性アウトカム」、「患者満足度」があります。
「臨床性アウトカム」
臨床性アウトカムは、合併症の出現がないことをアウトカムとして設定します。
例) ・感染の兆候がない(SSI判定基準:体温38℃以下、CRP1.5ug/dl以下)
・血糖値が200mg/dL以下でコントロールされる。
・X線撮影上骨転移の発生がない。
「機能性アウトカム」
機能性アウトカムは、ADLの状態、認知レベルの状態などをアウトカムとして設定します。
例) ・病棟内歩行ができる。
・自力杖歩行が50mできる。
「経済性アウトカム」
経済性アウトカムは、在院日数、総入院数などの短縮を図ることを目標とします。
短縮が図れれば、患者さんにとって医療費が安くなるメリットがあり、
医療期間にとっては経費画削減できるメリットがあります。
診断群分類(DPC)では、疾患ごとに請求できる金額が決まっています。
短縮により、患者さん、医療機関両者共に無駄な医療を省くことができます。
在院日数が短くなると、患者の入退院の回転が速くなり、
ベッド単価が上がります。
患者さんは早く退院でき、治療処置の必要がなくなるなど
臨床的アウトカムとも結びつきます。
「患者満足度」
患者満足度は、入院中の医療ケアに対する満足度などをアウトカムとして設定します。
例) ・患者用パスをもとに治療計画の説明がされる。
・入院期間も計画されているため予定が立てやすい。
・経済性アウトカムにより患者の負担が軽減されます。
・患者さんのADLなど、機能の回復と言う機能的アウトカムが得られる。