看護記録の書き方のキホン

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看護記録の書き方の実例 与薬事故:内服薬与薬忘れ

事例: 患者名 F氏 49歳 男性

 

疾患名: 慢性腎不全(透析中)、腰椎椎間板ヘルニア

 

経過: 5年前に透析を導入し、週3回実施。順調に経過している。
    今回は、下肢の痛み、痺れが強く、手術目的で入院した。

 

インシデント発生状況: 
薬物は、看護師管理で、一日分を朝・昼・夕に分かれている配薬ボックスにセットしていた。
〇月〇日、日勤の看護師が指示票を見ながら、昼食後に与薬する薬を確認した際、
朝食後に服用すべきアンカロン(アミオダロン塩酸塩)1/2錠が、
朝の配薬ボックスに残っているのを確認。
〇月〇日朝から服用を開始し、一週間分処方され、残薬は5日分(1/2錠)あた。
深夜勤務の看護師に確認したところ、与薬忘れが判明。
本人に確認すると「今朝は服用していなかった」とのこと。
主治医に今朝、服用していないことを報告し、医師の指示で昼食後に服用した。

悪い記載例

〇月〇日 
12:00 朝食後に服用するアンカロンが配薬ボックス「朝」に残っていたので本人に確認すると、「今朝は飲んでいない」と返答あり。

 

12:04 深夜勤務の看護師Aに、与薬の有無を確認したところ、忘れていた。

 

12:05 主治医に状況を報告し、昼食後に服用してもらった。

 

修正が必要な場所

@ 服用し忘れた内服薬は、まず種類を確認します。

 

A 発見時に確認した状況を詳しく記載します。

 

B 内服薬の種類によっては、患者さんの状況を観察し、記載する必要があるものもあります。
  アンカロンは抗不整脈薬であるため、観察状況を記載することが必要です。

 

C 医師に報告した内容、指示内容の記載をします。

 

D 経過観察した内容を記載します。

良い記載例

〇月〇日
12:00 朝食後に服用するアンカロン1/2錠が配薬ボックスに残っていた。
〇月〇日の朝から服用を開始し、一週間分が処方されていたが、
残薬は5日分残っていたため、本人に朝服用したか確認すると
「今日は飲んでいない」と返答があった。
P70回/分、不整脈なし、胸部不快感なし。
 看護師〇〇

 

12:04 深夜勤務のA看護師に、今朝与薬の有無を確認したところ、与薬を忘れていた。
 看護師〇〇

 

12:05 主治医に、アンカロン1/2錠を今朝渡し忘れ、服用していないこと、
脈拍は70回/分、不整脈なし、胸部不快感なしであることを報告。
本日は、昼食後にアンカロン1/2錠服用し、経過観察の指示を受けた。
 看護師〇〇

 

12:10 今朝、アンカロン1/2錠を渡し忘れたことを謝罪。
昼食後に服用の指示が主治医よりでたことを説明した。
胸がドキドキするなど、不快感があれば看護師に伝えてほしいと説明。
 看護師〇〇

 

12:30 アンカロン1/2錠服用した。
 看護師〇〇

 

14:00 血圧130/80mmHg、P69回/分、不整脈なし。
 看護師〇〇

 

16:00 P69回/分、不整脈なし、腹部不快感なし。
 看護師〇〇

記載上の注意点

内服薬の与薬忘れが発生した場合は、状況を確認した内容を記載します。

 

1回忘れたのか、連続して忘れたのかなど、残薬を確認し、状況を把握します。

 

内服薬の種類によっては、患者さんの状態を観察し、経過を追って記載することが必要です。

 

また、薬物の種類や、与薬忘れの期間によっては、主治医より直接説明をしてもらったり、
薬物の詳しい情報が必要の場合は、薬剤師からも説明してもらう必要があります。
いずれの場合であっても、事実のみを記載します。