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術後のサードスペースがある場合の注意点

術後のサードスペースがある患者さんに対して輸液を行う時には、
サードスペースに移動した水分量の把握と、
利尿期の輸液量に注意が必要です。

サードスペースとは

生体は、外傷や手術などの侵襲(ストレス)を受けると、
生体炎症反応やストレスホルモンの分泌によって
血管透過性が亢進されます。
すると、血管壁のすき間が大きくなり、
通常は血管内に留まっているはずの水やNaが血管外へ漏出し、
細胞内でも血管内でもない場所に留まる減少が起こります。
このように、水やNaが細胞内でも血管内でもない場所にたまっている部分を、
サードスペース(third space)といいます。
術中~術後半日は、侵襲期といって、サードスペースの移動が続きます。
そして、侵襲期は、全身に浮腫が生じて循環血液量が減り、
結果として尿量も減ります。
手術侵襲後、2~3日経って、炎症反応が沈静化すると、
サードスペースにたまっていた水のNaは血管内に戻り、
尿量が増加します。
この時期を「利尿期」、或いは「relilling」といいます。
サードスペースに水分が移動しているという生体の仕組みをまずしっかり理解し、
尿量や術前から術後に至る周術期のINとOUTのバランスを確認します。
循環血液量を保つという輸液本来の目的を踏まえ、
輸液の必要性を考えることが重要です。

侵襲期

侵襲期は、補液をしても血管外に漏れやすくなるため、
どうしても循環血液量が少なくなります。
特に術中は、多少の出血も加わるので、
十分な細胞外液を入れなければ循環血液量は欠乏し、
血管内は脱水状態になります。
ですから、侵襲期は、通常の維持輸液と併用し、
出血量の2~3倍、創部やドレーンからの排液、
サードスペース部の細胞外液を補充します。

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サードスペースに考慮した輸液管理の基本

サードスペースに考慮した輸液管理では、
周術期のINとOUTのバランスを見ること、
そして、口渇などの基本的な自覚症状や全身状態を
フィジカルアセスメントすることが基本となります。
利尿期に入ると尿量が増えますが、
経口摂取や輸液の追加指示を仰ぐのではなく、
脱水なのか、利尿期なのかをアセスメントした上での対応が求められます。
特に、高齢者や心臓、腎臓機能に問題がある場合は、
心不全や肺水腫に備え、
輸液の調整、利尿薬の投与について検討することが必要です。
また、栄養を投与した方が良いのでは?
と考えてしまいますが、侵襲期は異化亢進によってエネルギーとなるブドウ糖を投与しても、
グルコース利用率の低下やインスリン抵抗性の増大などから高血糖状態になります。
高血糖になってしまうことによる弊害はとても大きいので、
血糖コントロールを行う事も必要なため、
術後2~3日の過剰な栄養は不要と考え、通常必要エネルギー量の半分程度の投与にします。

侵襲による非機能的細胞外液の流れ

外科手術や外傷、感染症などによって、生体に侵襲(ストレス)が加わる。

血管透過性が亢進し、水分やNaが血管外に漏出する。

漏れ出した水分が、サードスペースへ移動する(侵襲期)。

循環血液量が減少する。

細胞内や間質から血管内に水分を供給。

浮腫や血圧低下、頻脈、乏尿など血管内脱水の症状が出現する。

細胞外液を補充する。

侵襲後、24~72時間で、サードスペースから水分が血管に戻る(利尿期)

循環血液量が増加し、血圧上昇、尿量の増加がみられる。
* 心機能、腎機能が低下している場合は、
 水分過剰による心不全や肺水腫に注意し、
 輸液量の調整や利尿薬の投与を検討します。

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