ターミナル期とは、医療による治癒の見込みがなく、
死が近いことが予想される状態のことです。
概ね3ヶ月から半年程度であることが多く、
患者さんの状態によっては数週間の場合もあります。
また、患者さんの年齢や疾病、患者さんの意思や家族の意思によって
ケアの内容も変化します。
- 患者さんの思い
- 患者さんが在宅療養を希望する時には、
「住み慣れた我が家で家族と共に過ごしたい。」
「死ぬまで家にいたい。」
「畳の上で死にたい。」
「自宅に居ても点滴や痛み止めを使って楽に暮らしたい。」
などという思いが患者さんにはあると推測されます。
ですから、なるべく希望に沿った看護計画を選択していくことが大切です。 - 家族の思い
- 家族がどのように終末期である患者さんを支えているか、
どのように考えているかを考え、できる限りサポートします。
終末期を迎える患者さんを支える家族の願いとしては、
「できるだけ苦痛をなくしてあげたい。」
「入院を嫌がるので家で看病してあげたい。」
「医療のサポートをしっかり受けさせたい。」
「後悔のないような看取りがしたい。」
などがあります。 - ターミナル期を在宅で過ごすには、
-
- 患者さんが自宅で過ごすことを希望しており、家族に介護力があること。
- 在宅支援をする医師や看護師がいること。
など、条件が整うことが必要です。
そして、在宅ターミナルケアの中心となるのは、- 苦痛の緩和、症状のコントロール。
- 生活の質(QOL)の維持、その人らしく暮らすこと。
- 家族へのフォローアップ。
などです。
ターミナル期の患者さんの看護を行う看護師の心得とは
- 死に至るまでの心の状態は、患者さんにとって必要な過程であると見守ることが必要です。
- 患者さんの苦痛の理解を、言葉だけでなく、態度や行動で示すことが必要です。
- ベッドサイドに頻繁に行き、患者さんとともに過ごす時間をより多く持つことが必要です。
- 何かを「する」事に重点を置くのではなく、そこに「いる」ことが必要です。
- 苦し紛れの不誠実な言葉をはかないことが必要です。
- 自分のなかだけで思い悩むのではなく、患者さんの訴えを傾聴し、心の中にある問題を知ることが必要です。
- 小さな希望も大切にする姿勢が必要です。
ターミナル期を在宅で過ごす患者さんや家族のサポートして
看護師が行うべき役割とは、
- 主治医と密接な連携をとりながら、症状の観察や症状の緩和に努めること。
- 家族や介護者への丁寧な指導を行い、介護力を高めること。
- 高い知識と的確な技術による質の良いケアを提供すること。
- 24時間サポートや、相談と緊急訪問体制を整えること。
- 機器装着時の安全な使用の確認や使用する物品の点検を行うこと。
- 患者さんや家族を取り巻く近親者情報を的確につかみ、様々な調整を行うこと。
- 急変時の対応を確認し、実践すること。
- 尊厳を守ること。
- 見送る家族が満足できる、或いは納得できる看取りを支援すること。
- 家族と患者さんへの悲嘆援助を行うこと。
などがあります。
在宅ターミナルケアの問題点
医療従事者が側にいない在宅で、
病状の変化や緊急事態の発生に対応しなければならないのが
在宅におけるターミナルケアの実態です。
つまり、臨死期に向かう患者さんを介護する家族にとって、
精神的な重圧、そして心身的な重圧は計り知れないものがあります。
患者さんの苦痛を緩和するために、
在宅でも病院と同じような医療行為を継続する必要がありますが、
在宅医療に使用する機器類や薬物の提供システムは不十分な状況があります。
ターミナル期は、患者さんの日常生活自立度は徐々に低下します。
必要な介護は次第に増加し、介護のマンパワー不足になりがちです。
近年は、在院日数が短縮され、
医療処置や介護方法の指導が十分ではない状態で退院することが多くなりました。
ですが、退院時のカンファレンスや退院前の病院訪問など、
効果的な継続看護が必要とされます。
在宅ターミナルの社会的背景
- 在宅医療重視政策
- わが国の医療政策では、在宅医療を推進する方向になっています。
入院期間の短縮が急速に進められ、
在宅療養を行う患者さんの医療処置も高度化・複雑化しています。
そして、ターミナル期の患者さんについても、
在宅療養が勧められる傾向になっています。 - 患者さんの権利意識の変化
- 医療においても、患者さんの権利意識が高まり、
延命処置や積極的治療に疑問を持つ患者さんも出てきました。
さらに、緩和ケアの普及と共に、
在宅療養を希望するターミナル患者さんへの対応が求められる現状にあります。

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