胸腔ドレーンは、肺の膨張が完全であると確認されれば抜去できます。
胸部X写真を撮り、肺が完全に膨張していることを確認します。
そして、脱気目的で胸腔ドレーンを挿入している場合は、
肺が再膨張しエアリークが消失した時期、
排液目的で胸腔ドレーンを挿入している場合は、
排液が奨液性(粘性物質を含まないサラサラな透明な分泌液)
~淡血性(薄くサラサラな淡い赤色もしくはピンク色の分泌液)へと変化し、
一日あたり100~150ml以下になれば抜去可能です。
このように、胸腔ドレーンを挿入している目的により抜去する時期の判断は異なります。
脱気目的の場合
気胸など、脱気目的で胸腔ドレーンを挿入している場合には、
肺の膨張度やエアリークの程度によって抜去時期を判断します。
持続吸引をしないでも肺が完全に膨張し、
エアリークが消失していればドレーン抜去波可能です。
抜去を検討する際は、まず、胸部X線写真をエアリークの消失後に撮影します。
そして、肺が完全に「全膨張」が得られている状態であることを確認し、胸腔ドレーンを抜去します。
BTS(英国胸部疾患学会)ガイドラインによると、ドレーンの抜去を考慮するのは、
肺が完全に膨張し、さらにエアリークが24時間消失してからとしています。
そして、気胸の場合は、胸部X線写真で肺が完全に膨張していることを確認し、
エアリークがみられなければ抜去前にドレーンをクランプしなくても抜去可能としています。
しかし、抜去前にドレーンをクランプし、4~6時間後に再度胸部X線写真を撮って、
抜去しても本当に安全かどうかを再確認してからドレーンを抜去する事もあります。
排液目的の場合
胸水の排液を目的として胸腔ドレーンを挿入している場合は、
排液が奨液性~淡血性と変化し、肺の膨張が良好であること、
胸水の培養が陰性であることを確認し、抜去を検討します。
その際、排液の量が一日あたり100~150mlで判断するのが一般的ですが、
一定の見解はなく、一日あたり30ml程に減少するまでドレーン抜去を待つべきだという意見もありますし、
200mlでも抜去を可能とする意見もあります。
胸腔ドレーンの抜去をする際の判断材料として、
水封部の呼吸性移動の消失を確認する事も重要です。
水封部の呼吸性移動の消失によって、完全膨張が確認できます。
水封部の呼吸性移動の消失について
水封部の呼吸性移動の消失は、
「肺が完全に膨張した」、「ドレーンが屈曲・閉塞した」、
「ドレーンの内腔がフィブリンや凝結塊などによって閉塞した」のいずれかの理由によるものです。
したがって、ドレーンの内腔を常にチェックし、
ドレーンの屈曲や閉塞がないかどうか、呼吸音の減弱や増強がないかどうかを聴診することが大切です。
ドレーン抜去時のクランプについて
胸腔内は、エアリークがみられず肺が完全に膨張していれば陰圧になります。
そのため、水封部に陰圧がかかり水封部液面は上昇します。
つまり、「胸部X線写真で肺が完全に膨張していること」、
「水封部が強い陰圧で呼吸性移動がみられないこと」、
「ドレーンの閉塞がないこと」が確認できればドレーンの抜去は可能で、
抜去前のクランプも必要ないとされ、一般的にクランプは行いません。
ですが、肺が完全に膨張している状態で、エアリークもみられない場合でも、
水封部に胸腔内陰圧がかかっていない場合は微小肺瘻の有無を確認してから、抜去することがあります。
このような場合は、抜去前にクランプを行い、抜去が可能であるかどうかを確認します。
持続吸引を必要とする気胸の場合には、胸部X線写真で肺の完全膨張を確認し、
エアリークが消失すれば、まず水封とします。
そして、さらに肺虚脱がなければドレーンの抜去を行うのが一般的です。
ドレーン抜去時と抜去後のケア
ドレーンを抜去するときには、ドレーン挿入部からの外気の吸い込みによる気胸を予防するために
患者さんに「息をこらえてもらう」ことが必要です。
息をこらえてもらうのは、気胸の残存に差がないので、
呼吸終末期でも良いですし、呼気終末期でも良いでしょう。
患者さんが息をこらえやすい方でしてもらいます。
抜去をした後は、
「ドレーン抜去部の滲出液や出血の有無」、
「呼吸状態」、「胸郭の動き」、「呼吸音」、
「皮下気腫の有無(皮下組織内に空気がたまっていないかどうか)」、
「SpO2(血中酸素飽和度・手や足の指先の方まで酸素を含んだ血液が届いているかどうかを知るための目安)」、
「動脈血ガスデータ」、「胸部X線写真」などを確認します。
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