カルシウムは骨に静かに存在しているのではなく、
実は、ダイナミックに移動しながら全体としてのバランスを保っているミネラルです。
カルシウム(Ca)の摂取量は、500~1000mg、
日本人の平均としては600mg程度といわれています。
カルシウムは、主に空腸で吸収されますが、吸収される量は摂取量の半分に過ぎません。
ナトリウム(Na)やカリウム(K)では、摂取すると大半が吸収されるのですが、
カルシウム(Ca)の吸収量は、半量ほどです。
カルシウム(Ca)が半量しか吸収されない理由としては、
カルシウムが消化管腔内でリン酸などと出会うと、水に不溶の塩を形成してしまうので、
腸管から吸収できなくなってしまうからです。
また、体内から消化液として分泌される(消化管に差し戻される)カルシウムが、
吸収量のその半分程度存在するというのも、カルシウムが摂取量の半量しか吸収されない理由の一つです。
このため、カルシウムは、摂取量の4分の1ほどしか吸収されず、
これと同量が腎から尿中に排泄、
そして、残りのカルシウム、つまり摂取量の4分の3は、便中に失われます。
血中のカルシウム(Ca)は、腸管で吸収されたり、腎臓で排泄されるだけでなく、
骨に貯蔵されたカルシウムとの間でのやり取りもします。
骨に沈着しているカルシウムは、その場に永続して存在するわけではなく、
その一部は血中に溶け出し(骨吸収)、それに見合う量の血中カルシウムが骨に沈着する(骨形成)をします。
このように、わずかずつではありますが、常に入れ替わっています。
骨吸収とは、骨が血中からカルシウム等をきゅうしゅうするのではありません。
その逆の、骨の貯蔵庫から血中のほうに、吸収・調達してくる作用を意味します。
この骨吸収と骨形成のスピードは、腸管吸収~腎排泄のスピードとほぼ同じです。
つまり、骨から溶け出した量に相当するカルシウムが腎臓から排泄され、
それと同量のカルシウムが、腸管から吸収されて溶けた骨基質を補うと考えることができます。
水に不溶な塩であったはずのリン酸カルシウムが、骨吸収の際に溶け出すことができるのは、
破骨細胞が酸を放出し、結晶を溶解させるからです。
リン酸カルシウムという物質は、
「水に溶けないことは骨の硬さを保つには好都合ですが、
それゆえに消化管からの吸収の効率が悪くなる」というジレンマがあり、
また、「水には溶けないが、酸には溶けるという性質があるので、
多くは沈着したままで、それでいて血中に溶け出すこともできる」という
その溶解性の面において絶妙な位置づけです。
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