吸入器(ネブライザー)の使用によって、
薬物や水分を微粒子として噴霧することができ、
気道や肺の奥まで薬物や水分を送り込むことができます。
そのため、
- 吸入(ネブライザー)で加湿することによって、気道分泌物を軟らかくし喀出を促すことができる。
- 去痰薬や気管支拡張薬などの薬物を作用させることによって、痰の喀出を促すことができる。
- 気道の炎症を抑え、疼痛を緩和させることができる。
- 抗生物質を局所に作用させることによって、細菌感染の治療を行うことができる。
などの効果が得られます。
加湿だけを目的として吸入を行う場合は、
生理食塩水や蒸留水だけを使用します。
去痰や気管支拡張の目的で吸入を行う場合は、
医師による処方が必要で、医師が処方した薬物を使用します。
吸入器(ネブライザー)の適応は、
- 喀痰や喀出が難しい肺機能低下の患者さんや疼痛のある患者さん。
- 気管支喘息など気管支攣縮のある患者さん。
- 薬物の経口投与が必要な場合。
- 口呼吸しかできない場合。
などです。
吸入器(ネブライザー)の種類と管理
- ① コンプレッサー(ジェット)式ネブライザー
- コンプレッサー(ジェット)式ネブライザーは、
圧縮空気を送り、そのジェット気流によって薬液を霧状にする吸入器です。
コンプレッサー式は複雑な構造ではないため取り扱いも簡単で、
衛生管理も容易だというメリットがあり、
各種薬物の投与も可能です。
コンプレッサー(ジェット)式ネブライザーで使用するものは、
吸入器、ネブライザーグラス(嘴管)、1.0~25mlのディスポーザブル注射器、
18Gのディスポーザブル注射器、薬液、ティッシュペーパーなどです。
コンプレッサー(ジェット)式ネブライザー使用前は、
まず、患者さんや患者さんの家族に目的や手順、薬腋の用量や用法を十分に説明し、
噴霧状態を確認しておきます。
薬液を使用する場合は、
医師の処方に基づき指示された量を注射器で正確に吸い上げます。
吸入時間は、一回10~15分で、吸入中はゆっくり深呼吸するように患者さんに説明します。
吸入中に薬液によって気道が刺激され、咳が出たり、痰が多くなったり、
薬物によっては悪心や心悸亢進などが認められる患者さんがいます。
副作用がないかどうかを観察しながら行います。
副作用が見られた時にはすぐに吸入を中止し、改善がなければ医師に相談するか、
外来を受診するように患者さんや患者さんの家族・介護者に説明をします。
吸入実施中に口腔内にたまった唾液や薬液は、
悪心や食欲不振の原因となるので飲み込まずに吐き出してもらうか、
終了後に含嗽してもらいます。
(手順)
(1) 患者さんに、セミファウラー位、または起坐位になってもらいます。
(2) ネブライザーグラス(薬液槽)に薬液や滅菌蒸留水などを入れます。
(3) スイッチをいれて噴霧情愛を確認後、吸入を開始します。
(4) 薬液がなくなったらスイッチを止めます。
(5) 吸入後、痰の喀出を促します。
その際、痰の色や量、粘稠度、口唇、爪甲色を確認します。 - ② 超音波式ネブライザー
- 超音波式ネブライザーは、
超音波振動によって蒸留水や薬液を振動させ、霧を発生させるしくみの吸入器です。
加湿効率はとても優れますが、過給湿になりやすいデメリットがあり、
長期間使用する場合は、連続的にしようしないほうが安全です。
振動により薬液の性状が不安定になることが指摘されていて、
薬液の使用は避けたほうが良いとも言われていますが、
最近は薬物が対応できる型の超音波式ネブライザーも増えてきました。 - ③ 定量噴霧式吸入器
- 定量噴霧式吸入器は、
口にくわえたり、口から数cm離して一定量を手で押し噴霧するしくみの吸入器です。
ぜんそくなどの治療に用いられ、自己管理で治療が行われます。
使用には、十分な説明と、患者さん自身の理解も必要です。
食事の直前や、食後2時間以内の吸入は避けます。
加湿や去痰の目的でも、気道粘膜の損傷防止のため、長時間の吸入は避けます。
実際の感覚は、一日3~4回くらいを目安とします。
薬液を使用する場合は、一日量や時間の感覚など、医師の指示に従って使用します。
外出時は、定量噴霧式ネブライザーや携帯用ネブライザーを必ず持参するようにします。
日常生活に関わる指導
- 感染を予防するため、消毒は一週間に1~2回行い、清潔に使用します。
- 消毒は、台所用の消毒・殺菌剤に一時間くらいつけておき、水洗いを十分にした後に乾燥させます。
普段は、使用後に水洗いをし、乾燥させます。 - 本体の汚れは、水で湿らせた布に中性洗剤を少量加えたもので汚れを落とし、乾いた布などでふき取ります。
緊急時の対応
- 吸入によって気分が悪くなったり、脈拍数が大幅に増えた場合などは使用を中止して様子を見ます。
改善が見られない場合は医師や看護師に連絡をするか、外来を受診する用に指導します。 - 吸入後、痰が多くなり、自己客出が難しくなった場合は、患者さんを側臥位にして背中を軽く叩きます。
吸引器があれば、吸引を行います。 - ぜんそく発作時など、吸入をしても呼吸が苦しそうで改善をしない場合は、吸入を何度も繰り返さずにすぐに外来を受診するように伝えます。
その他
吸入は、仰臥位よりも、起坐位で行うほうが横隔膜が下がり
呼吸面積が広がり、吸入効果が高まるので、なるべく坐位で行います。
吸入液は、なるべく均等に目的の部位に到達させることを目的とします。
通常の呼吸では、粒子が均等に分布せず、
呼気が速ければ気道内で乱気流がおき、粒子が深く入ることができません。
そこで、吸入中は、患者さんにゆっくり大きな呼吸をしえ貰うように指導します。

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