(1) 使用している抗がん剤の種類を確認
口腔トラブルを訴える患者さんに対して、まず、使用している抗がん剤の種類を確認します。
口内炎を起こしやすい抗がん剤としては、特にフルオロウラシル(5-FU)や、
プレオマイシン、パクリタキセル、イリノテカンなどがありますが、
どの抗がん剤でも、口内炎が起こる可能性があります。
骨髄移植や造血幹細胞移植などで、大量化学療法を受ける場合は、
より口内炎が発症しやすくなります。
・口腔粘膜炎(口内炎)を起こしやすい抗がん剤
アルキル化剤: メルファラン、シクロホスファミド
代謝拮抗薬: フルオロウラシル(5-FU)、メトトレキサート、デカフール、
ギメラシル、オテラシルカリウム配合剤、カペシタビン、シタラビン、
ゲムシタビン、ハイドロキシウレア
抗がん性抗生物質: プレオマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、アクチノマイシン
微小管阻害薬(タキサン): パクリタキセル、ドセタキセル
白金製剤: シスプラチン
トボイソメラーゼ阻害薬: イリノテカン、エトポシド
(2) 放射線の照射部位を確認
放射線治療で口腔トラブルが生じるのは、
頭頸部がんや、頭頸部領域に限局するリンパ腫など、
口腔周辺に照射する場合に限られます。
特に、上咽頭部がんなどで、
両耳下腺が照射野に大きく含まれる場合は注意が必要です。
(3) 口の中の状態はスケールで評価
口腔内のアセスメントは、口腔アセスメントガイドである
ROAG/Revised Oral Assessment Guideを使用して行います。
まずは、ROAG/Revised Oral Assessment Guideのスケールによって
口腔内の状態を把握し、口腔トラブルの有無を確認し、発生を予測します。
口腔内の状態によっては、口内炎の発生リスクが少ないレジメンによる化学療法を施工中の場合も、
口腔内を注意して観察しなければなりません。
口内炎が認められた場合は、米国NCIの有害事象共通用語基準(CTCAE)で評価し、
疼痛管理やセルフケア支援などを行います。
口腔ケアの方法や口の中の状態についても患者さんから聞き取り、
患者さんの口腔ケアに対する意識や知識についても評価をして、
指導の参考にします。
Grade1: 症状がない、または軽度の症状がある。治療を要さない。
Grade2: 中等度の疼痛がある。経口摂取に支障がない食事の変更を要する。
Grade3: 高度の疼痛がある。経口摂取に支障がある。
Grade4: 生命を脅かす。緊急処置を必要とする。
Grade5: 死亡。
評価区分「声」 段階1: 正常
段階2: 正常よりも低い声、またはかすれ声
段階3: 話すのが困難、または話すときに疼痛を伴う
評価区分「嚥下」 段階1: 正常
段階2: 嚥下時痛
段階3: 潰瘍形成または出血
評価区分「口唇」 段階1: 平滑、ピンク色、湿潤
段階2: 乾燥または亀裂
段階3: 潰瘍形成または出血
評価区分「舌」 段階1: ピンク色、湿潤、乳頭が確認できる
段階2: 光沢面に被覆。乳頭は少ない、発赤の合併はさまざま。
段階3: 水疱形成、または亀裂
評価区分「唾液」 段階1: 水様
段階2: 濃厚または高粘調
段階3: 唾液分泌が認められない
評価区分「粘膜」 段階1: ピンク色、湿潤
段階2: 赤色調または白色物で覆われている(潰瘍形成はない)
段階3: 潰瘍形成、出血の合併はさまざま
評価区分「歯肉」 段階1: ピンク色、点状、硬い
段階2: 浮腫形成、発赤の合併は様々
段階3: 自然に出血、または圧迫で出血
評価区分「歯または義歯」 段階1: 清潔、食物残渣なし
段階2: —
段階3: ブラークや食物残渣が歯肉域または義歯装着部に広く存在

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