口腔内に口内炎や潰瘍、出血などがある患者さんに対する口腔ケアは、
まず口腔内を清潔に保ち、症状の出現や悪化防止に努めることが第一です。
そして、口腔内に問題が発生しているだけでも患者さんの苦痛は大きいので、
患者さんにとって「安楽であること」を考えてケアを考え、実施することが大切です。
症状によっては、口腔ケアの継続で改善する場合と、
専門的な治療が必要になる場合があります。
どちらの場合でも、まず口腔内の保湿と清潔を保つことが大切で、
新たな症状の出現や悪化を防止することが出来るように努めることが大切です。
口内炎・潰瘍がある場合のケア
口腔粘膜に生じる痛みのある潰瘍を「口内炎」といいます。
口内炎は、粘膜の表面が破壊されているので、痛みを伴うことが多いです。
口内炎の原因は、物理的刺激が最も多く、ウィルスや細菌感染、自己免疫反応、
内分泌異常、栄養障害、消化器障害、疲労、精神的ストレスなどがあります。
口内炎がある患者さんに対しての口腔ケアは、次の点に注意して行います。
- 口内炎や潰瘍部は避けて通常通りケアを行い、口腔内の清潔を保ちます。
- 炎症が強い場合は、低刺激性のスポンジブラシで清掃します。
- 炎症が強い場合は、含嗽用水(ハチアズレ水)での含嗽にとどめても良いでしょう。
- 口内炎や潰瘍がある場合は、必要時消毒液や洗口液などを使用したり、低刺激性の含嗽剤で含嗽をしたりします。
- 化学療法などの副作用の場合は、小さな氷片を適宜口腔内に含ませます。口腔内を冷却することによって口腔粘膜の毛細血管を収縮させることができ、抗がん剤の粘膜への移動を抑制し、発症を予防するとも言われています。
出血がある場合
口腔内の出血は、大別すると「歯肉の出血」、「粘膜の出血」、「舌の出血」、
「口唇の出血」、「口角の出血」があります。
出血の原因を分析し、全身状態を観察することが必須です。
出血は、機械的刺激がなくても起きる場合や、
カルシウム拮抗薬使用など治療内容の影響によって起きる事もあり、
止血機能が障害されているとわずかな刺激でも出血しやすくなり、
止血できなくなる場合もあります。
必要に応じて医師に報告する、
早期治療の開始について相談するなども必要です。
また、舌や粘膜の出血の場合は、外傷が要因であることが多いです。
この場合で、外傷が小さい時には洗浄して圧迫出血をし、
清潔を保ち感染予防に努めることが大切です。
口腔ケアを実施する時の注意点
- 口腔内だけでなく、口腔外の観察も行います。
- 特に患者さんの表情に注意します。
- 口腔ケアを実施する前に保湿剤を使用して口腔内を十分に湿潤させます。
- 血餅を剥がしてしまうことがないように生理食塩液で湿らせたガーゼなどで、余分な水分や唾液をふき取り、出血部位と出血の状況を確認します。
- 超軟毛の歯ブラシを使用し、口腔内を傷つけないように歯面を丁寧に磨きます。
- 刺激が少なく消炎作用のある洗口液でこまめに洗浄します。
- 患者さんの痛みが強い場合は医師に相談し、局所麻酔薬を加えた洗口液を使用する事もあります。
- 歯周病の患者さんの場合は、適切にブラッシングすることによって出血が数週間でおさまります。出血を恐れて十分にブラッシングしないと歯周病を悪化させてしまうこともあるので、丁寧に、適切なブラッシングをします。
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