看護記録の書き方のキホン

当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。

ドレーンからの排液の異常と正常の見分け方

ドレーンのからの排液の異常と正常は、
新鮮血症、混濁、白濁、胆汁様で見分けます。

 

ドレーン排液が正常の場合は、淡血性〜漿液性をしています。

 

ドレーン排液が新鮮血で、2〜3時間以上200ml/時以上の排液が持続している場合や
急激に増加をしている場合は、出血を疑います。

 

また、ドレーン排液に膿がたまっている場合は感染を疑い、
白濁は乳び胸を疑います。

 

食道切除術の後のドレーン排液に泡が混じる場合や
胆汁が混入している場合は、縫合不全を疑います。

 

このように、疾患によって排液の性状が異なります。

 

性状の変化を見逃さないようにケアすることが重要です。

ドレーン排液に出血が疑われる場合

術後の胸腔ドレーンの排液の性状は一般的に淡血性から血漿成分が多い漿液性に変化していきます。

 

ですが、排液の性状が新鮮血で、かつ2〜3時間以上200ml/時以上の排液の持続、
または急激な増加は「出血」を疑い、緊急止血術を必要とする場合が多くあります。

 

この場合は、医師にすぐ報告し、
バイタルサインや呼吸状態、動脈血ガスデータなどを確認します。

ドレーン排液に膿の混入が見られる場合

ドレーン排液に膿の混入が見られる場合は「感染」を疑い、「膿胸」を疑います。

 

膿胸とは、術創や胸膜が炎症を起こし、胸腔内に膿状の膿汁が貯留した状態を言います。

 

感染は、細菌性肺炎や胸腔内手術後の感染によって発症しますが、
原因菌となるのは、ブドウ球菌が最も多く、肺炎球菌やクレブシエラ、グラム陰性捍菌などがあります。

 

この場合は、原因菌に感受性のある抗菌薬を全身投与し、排液治療を目的とした胸腔ドレナージで治療します。

ドレーン排液に白濁がみられる場合

ドレーン排液が白濁してきたら「乳び胸」を疑います。

 

乳び胸とは、胸管から漏出た「乳び:腸管からの脂肪球を含むリンパ球」が
胸膜を破って胸腔内に流入し、たまってしまっている状態です。
呼吸困難を伴います。

 

2週間以上乳びが流出していたり、一日あたり1500ml以上の流出が5日間持続する場合は、
胸管結紮術を行います。

縫合不全が疑われる場合

食道切除後の胸腔ドレナージで、ドレーン排液に泡が混じったり、
胆汁が混ざったりしている場合に、縫合不全を疑います。

 

通常、頚部食道胃管吻合の場合は、縫合不全は頸部創からドレナージされることが多いですが、
胸腔にあふれ出る場合もあります。
一般的に術後、5〜7日頃におきやすいのですが、
胸腔と言う広い部位に炎症が広がり、全身状態が急激に悪化することがあります。

 

縫合不全の初期は膿汁のドレナージと感染のコントロールの治療・ケアが必要です。
特に食道切除後の縫合不全の発生頻度や、
縫合不全の治療経過に影響するといわれているのは、口腔ケアです。

ドレーンのインフォメーションとしての役割

ドレーンは、インフォメーションとしての役割を果たしています。

 

ドレーンの排液の液状を観察することによって胸腔内で起きている病状を推察することができます。
つまり、外側から見えないからだの中の状態を知ることが出来るのです。

 

ですが、ドレーンが詰まっていたり、抜けていたりすると、
ドレーンからの排液と言うインフォメーションが断たれます。
ですから、異常が起きた時に即座に気付くことができず対応が遅れることがあります。

 

対応が遅れると、危険を伴う事もあるため、
ドレーンの管理は、以下のことに気をつけて行います。

 

  • ドレーンが曲がっていないか、抜けていないか、圧迫されていないか、血塊などで閉塞していないかを常に確認する。
  • 胸腔ドレーン排液の性状に粘度があり、ドレーンがつまりそうな場合は、ミルキングを行います。
  • 呼吸性移動やドレーン排液量の増減を常に確認する。
  • バイタルサインの変動に注意する。

ドレーンからの排液の異常と正常の見分け方関連ページ

血管確保に最適な部位
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け血管確保に最適な部位についてご紹介します。
血管の探し方
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け血管の探し方についてご紹介します。
真空管採血について
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け真空管採血についてご紹介します。
食事や点滴と検査値への影響
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け食事や点滴と検査値への影響についてご紹介します。
輸血
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け輸血についてご紹介します。
輸液管理(IVH)
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け輸液管理(IVH)についてご紹介します。
中心静脈カテーテル挿入中の清潔
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け中心静脈カテーテル挿入中の清潔についてご紹介します。
輸液フィルタは必要か不要か
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け輸液フィルタは必要か不要かについてご紹介します。
フラッシュはヘパリンロックと生理食塩液のどちらが良い?
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向けフラッシュはヘパリンロックと生理食塩液のどちらが良い?についてご紹介します。
末梢静脈カテーテルの交換について
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け末梢静脈カテーテルの交換についてについてご紹介します。
点滴ルートのエアについて
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け点滴ルートのエアについてについてご紹介します。
滴下が漏れる理由
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け滴下が漏れる理由についてご紹介します。
経腸栄養〜経腸栄養はどのような体位で行うと良いか〜
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け経腸栄養〜経腸栄養はどのような体位で行うと良いか〜についてご紹介します。
経鼻胃管カテーテルやバッグの交換のタイミング
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け経鼻胃管カテーテルやバッグの交換のタイミングについてご紹介します。
血圧測定〜脈拍が触れず血圧が測れないとき〜
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け血圧測定〜脈拍が触れず血圧が測れないとき〜についてご紹介します。
自動血圧計では血圧が高く表示されることがある
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け自動血圧計では血圧が高く表示されることがあるについてご紹介します。
胸腔ドレーン管理〜陰圧をかける理由とは〜
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け胸腔ドレーン管理〜陰圧をかける理由とは〜ついてご紹介します。
胸腔ドレーンを抜く時期
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け胸腔ドレーンを抜く時期についてご紹介します。
ドレーンの位置の確認
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向けドレーンの位置の確認についてご紹介します。
吸引、排痰〜吸引カテーテルの交換タイミング〜
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け吸引、排痰〜吸引カテーテルの交換タイミング〜についてご紹介します。
吸引を行う間隔
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け吸引を行う間隔についてご紹介します。
気管挿管中の吸引
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け気管挿管中の吸引についてご紹介します。
患者さんへの負担を最小限に吸引を行う方法
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け患者さんへの負担を最小限に吸引を行う方法についてご紹介します。
浣腸・摘便について
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け浣腸・摘便についてについてご紹介します。
膀胱留置カテーテル
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け膀胱留置カテーテルについてご紹介します。
膀胱留置カテーテルによる感染が多い理由
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け膀胱留置カテーテルによる感染が多い理由についてご紹介します。
膀胱留置カテーテルの尿漏れ
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け膀胱留置カテーテルの尿漏れについてご紹介します。
膀胱留置カテーテルの留置時や固定時の注意点
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け膀胱留置カテーテルの留置時や固定時の注意点についてご紹介します。
膀胱洗浄の行い方
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け膀胱洗浄の行い方についてご紹介します。
創傷の治癒経過と消毒の必要性
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け創傷の治癒経過と消毒の必要性についてご紹介します。
手術後のシャワーや入浴について
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け手術後のシャワーや入浴についてについてご紹介します。
術後の少量の出血
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け術後の少量の出血についてご紹介します。
水泡が形成されている場合の創傷ケア
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け水泡が形成されている場合の創傷ケアについてご紹介します。
褥瘡ケア〜体圧分散寝具について〜
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け褥瘡ケア〜体圧分散寝具について〜についてご紹介します。
体圧分散寝具の素材と特徴
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け体圧分散寝具の素材と特徴についてご紹介します。
褥瘡周囲の皮膚のケア
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け褥瘡周囲の皮膚のケアについてご紹介します。
体位変換は2時間ごとに行うと褥瘡を予防できるか
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け体位変換は2時間ごとに行うと褥瘡を予防できるかについてご紹介します。
褥瘡がなくならない理由
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け褥瘡がなくならない理由についてご紹介します。
がん化学療法を始める時の患者さんへの説明
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向けがん化学療法を始める時の患者さんへの説明についてご紹介します。
副作用に関する患者さんへの教育
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け副作用に関する患者さんへの教育についてご紹介します。
抗がん薬の曝露から身を守るには
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け抗がん薬の曝露から身を守るにはについてご紹介します。
オピオイドの選択方法
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向けオピオイドの選択方法についてご紹介します。
オピオイドの使用と眠気に対するケア
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向けオピオイドの使用と眠気に対するケアについてご紹介します。
オピオイドを使用しても体動時に痛みが強い場合
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向けオピオイドを使用しても体動時に痛みが強い場合についてご紹介します。
持続皮下注射での疼痛管理
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け持続皮下注射での疼痛管理についてご紹介します。
「死」を口にする患者さんへのケア
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け「死」を口にする患者さんへのケアについてご紹介します。
苦痛緩和ができない終末期の患者さんに対して行われるセデーション
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け苦痛緩和ができない終末期の患者さんに対して行われるセデーションについてご紹介します。
誤嚥の危険がある患者さんに対してすること
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け誤嚥の危険がある患者さんに対してすることについてご紹介します。
食事中にむせたら
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け食事中にむせたらについてご紹介します。
安全で嚥下しやすい姿勢
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け安全で嚥下しやすい姿勢についてご紹介します。
とろみをつけるときの注意点
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向けとろみをつけるときの注意点についてご紹介します。
摂食・嚥下障害のある患者さんが生じやすい口腔問題とは
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け摂食・嚥下障害のある患者さんが生じやすい口腔問題についてご紹介します。
口腔内の汚染がひどいとき
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け口腔内の汚染がひどいときについてご紹介します。
口腔内に口内炎や潰瘍、出血などがある患者さんへの口腔ケア
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け口腔内に口内炎や潰瘍、出血などがある患者さんへの口腔ケアについてご紹介します。
適切な人工唾液や保湿剤の使い方
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け適切な人工唾液や保湿剤の使い方習についてご紹介します。
使用後の機器や器具類の感染予防策
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け使用後の機器や器具類の感染予防策についてご紹介します。
下痢や嘔吐がみられる患者さんへの感染予防策
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け下痢や嘔吐がみられる患者さんへの感染予防策についてご紹介します。
小児面会者の感染対策上の対応
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け小児面会者の感染対策上の対応についてご紹介します。
ディスポーザブル製品の取扱い
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向けディスポーザブル製品の取扱いについてご紹介します。
効果的な手洗い方法
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け効果的な手洗い方法についてご紹介します。
手袋を外した後も手洗いが必要
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け手袋を外した後も手洗いが必要についてご紹介します。