小児面会者の感染対策上の対応としては、
小児を連れて面会に訪れる保護者に対する説明や啓発、
咳エチケット・手指衛生の指導が大切です。
そして、施設としての対応方針を明確にしておく事も大切です
- 手指衛生とは
- 手洗い(石けんでの手洗い・スクラブ剤など手洗い用消毒薬による手洗い)と、
速乾性手指消毒薬を使用する方法があります。
そして、石けんは、固形石けんよりもなるべく液体石けんを使用します。 - 咳エチケットとは
- インフルエンザの感染拡大を防ぐために厚労省が呼びかけはじめたものです。
もともとはアメリカで提唱されていたもので、
「咳やくしゃみの際にはティッシュで口と鼻を押さえる、
周りの人から顔を背ける。」、
「使用後のティッシュは蓋付のゴミ箱に捨てる。」、
「症状がある人はマスクを着用し感染防止に努める」などの内容のポスターを
厚労省が制作し、全国の保健所などに配布しています。
ウィルス疾患の院内持ち込みへの対応
成人とは異なり、小児はウィルス感染症をはじめとした
様々な病因微生物に対する免疫機能が不十分な状態にあります。
そのため、面会に訪れた小児で感染対策上の問題となるのは、
ウイルス感染症です。
ウイルス感染症を予防するために、
院内での接触によって罹患することに対する予防や、
麻疹や水痘(水疱瘡)、風疹、ムンプス(おたふく)など
潜伏期で感染期限を有するウィルスに感染した可能性があるときや
有症状時の院内持ち込みへの対応が必要になります。
主なウイルス疾患と接触者の対応例
- 麻疹
- 感染期間は、発疹出現前4日から出現4日です。
接触者には、「接触後72時間以内のワクチン接種」、
「ヒト免疫グロブリン(接触後6日以内)」で対応します。 - 水痘
- 感染期間は、発疹出現前2日から後5日、痂皮化するまでです。
接触者には、「接触後72時間以内のワクチン接種」、
「ヒト免疫グロブリン(接触後4日以内に一回)」、
「適応時発病予想1週間前からのアシクロビル予防投与」で対応します。 - 風疹
- 感染期間は、発症前7日から5日です。
接触者には、「経過観察」、「必要時行動制限」で対応します。 - ムンプス
- 感染期間は、発症前7日から後9日です。
接触者には、「経過観察」、「必要時行動制限」で対応します。 - RSウイルス感染症
- 感染期間は、通常3日~8日です。
接触者には、「経過観察」、「必要時行動制限」で対応します。 - インフルエンザ
- 感染期間は、発症1日から発症後5日です。
接触者には、「適応時、抗インフルエンザ薬の予防投与を考慮」して対応します。 - ロタウイルス感染症
- 感染期間は、発症より約10日間便中排泄を認めます。
接触者には、「消化器症状について経過観察(経過観察中個室の対応はありません)」で対応します。 - ノロウイルス感染症
- 感染期間は、症状が消失した後も3~7日間ほど患者さんの便中に排泄されます。
接触者には、「消化器症状について経過観察(経過観察中個室の対応はありません)」で対応します。
持ち込みや感染伝播の要因
- 入院病棟では子供同士の意図的な接触の機会が多い。
- 外来などでの待合スペースやおもちゃの共有。
- 年齢的に一定時間我慢させることや行動を制限させることが難しい。
- 面会時に保護者と同伴でなくては一人にしておけない。
このようなことが持ち込みや感染伝播の要因として考えられます。
ですが、小児患者への面会については有用性・必要性を十分考慮し、
面会可能な条件も考慮しておく事も大切です。
小児面会者に関する保護者への啓発・指導事項
- 感染症罹患或いは罹患者との接触後(潜伏期)の面会を控えること。
- 有症状時または面会が可能か否かの判断が出来ない時には病院職員に相談すること。
- 咳エチケットを徹底すること。
- 患児、保護者、面会者の手指衛生をきちんと行うこと。
- インフルエンザ流行時には、インフルエンザワクチンを接種すること。
- 患児がたくさん集まるプレイルームへの入室は制限があること。
- 決められた面会場所がある場合は、その指示に従うこと。
病院としての対応について
年齢やワクチン未接種時の面会制限など、
病院としての方針を明確にし、案内しやすいシステムを作ることが
病院の対応として良い方法です。
また、職員のウイルス抗体価の把握や、ワクチン接種を行うことなど、
職員から面会者、面会者から職員への感染予防を対策する事も重要です。
このような指導内容を、パンフレットや掲示板などを活用して実施します。
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