看護記録の書き方のキホン

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遺体は変化する

亡くなった患者さんのご遺体は変化します。

 

恒常性が失われたことにより、死後変化は自然に起こります。

 

この死後変化には「早期死体現象」と「晩期死体現象」がありますが、
病院の看護師は目にする遺体は、
ご遺体が病院にとどまっている死後数時間だけです。

 

ほとんどの患者さんが、亡くなられると3時間以内には退院してしまいます。

 

ですから、その後の死体現象に接することがあまりありません。

 

しかし、亡くなった患者さんが、ご遺体となって自宅などに戻ってからは、
さらにご遺体は変化していきます。

 

病院にいる間に起こる変化が「早期死体現象」で、
ご自宅などに戻られてから起こる変化が「晩期死体変化」です。

 

早期死体現象では、筋肉の弛緩、体温の冷却、蒼白化、死斑(紫斑)の出現、
死後硬直、皮膚の乾燥などがあります。

 

乾燥や顔のうっ値などは、死後3時間位してから始まるので、
病院等の看護師は、あまりその状況に接する機会がありません。

 

ですが、逝去時ケアのときに、「遺体は変化する」ということを考え、
ケアをしていくことが必要です。

 

晩期死体変化で特に顕著なのは、「腐敗(自家融解)」と「腐臭」です。

 

死後、微生物によってタンパク質が分解されると
臭気が増え、6時間後からは腐敗が始まります。

 

しかし、近年は、病院での適切な逝去時ケアにより、
晩期死体現象をある程度防止することができることがわかっています。

 

たとえば、褥瘡の変化は、およそ12時間後くらいから始まります。

 

そして、褥瘡は、死後、滲出液が外へ漏出しやすいため、
ご遺体が自宅などへ戻られてから、ガーゼがぐっしょりとぬれてしまうことが多いです。

 

また、滲出液は、腐臭の原因にもなります。

 

ですから、逝去時ケアで、ガーゼ交換だけでなく、
褥瘡部をきちんと洗浄し、密閉するケアを施すことで、
滲出液の漏れを防ぐことができ、腐臭も増強しなくなりますし、
うじが沸いたり、コバエがたかるなどの心配を少なくすることができます。

 

また、このようにケアをすることによって、
ご遺体に触れる関係者の感染予防にもなりますし、
亡くなったご本人やご遺族の尊厳を守ることにもつながります。

 

いかに、ご遺体の乾燥や腐敗、腐臭を防ぐかということを意識して、
逝去時ケアをすることが大切です。

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