看護記録の書き方のキホン

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血清の電解質濃度を調べるときには、
Na(ナトリウム)、K(カリウム)、Cl(クロール)がセットで測定されます。

細胞外液の主要イオンとしてのCl

体液には、プラスの重荷を持った陽イオン(カチオン)と、
マイナスの重荷を持った陰イオン(アニオン)がほぼ同じ数だけ存在しています。
そして、電気的な中性を保っています。

 

陽イオンも陰イオンも、いくつもの種類からなっています。
また、細胞の内外でその組織が大きく異なります。

 

採血検査で通常測定されるのは血漿、つまり細胞外液の一種です。
そして、「私たちの体は食塩水のようなもの」などといわれることがありますが、
この「食塩水のようなもの」とは、「細胞外液」のことを指しています。

 

食塩(塩化ナトリウム)は、その名前や化学式「NaCl」が示すとおり、
Na+(ナトリウムイオン)とCl−(クロールイオン)が結合したものです。
そして、実際の細胞外液においても、Clイオンは量でみる限り、
陰イオンの主役であり、Naと双壁をなす存在です。

 

このような陰イオンの主役であるClですが、
Naに比べると存在感が薄く、Clはどのような働きをしているのか返答に困ってしまうこともあります。

 

実際、Clに特有の生理活性は、はっきりしていませんし、
高Cl血症や低Cl血症によって特徴的な症状が引き起こされるわけでもありません。

 

また、Clイオンのレベルを積極的に調節する機構も殆ど知られていません。
さらに、主として他の電解質の動きに伴って変化するという性質も、
Clの性質の一つであり、Clがつかみどころのない物質といわれる要因の一つです。

 

ですが、このようなClの性質は、身体の様々な異常がClの変化として現れることを意味しています。
Clは、主体性のないイメージは強いですが、数が多いということ自体が、
細胞外液の浸透圧に大きく貢献します。

 

浸透圧といえば、第一に取り上げられるのはNaですが、
浸透圧への寄与に際しては、粒子の種類は無関係で、Na自体に特殊な能力が備わっているわけではありません。

 

たまたまNaは、全イオンの最大多数派ではありますが、
それでも全浸透圧の半分弱を形成しているにしか過ぎません。
残りの半分は、陰イオンが担っていて、その7割程度をClイオンが占めています。
つまり、Clは、Naに次いで浸透圧への寄与が大きいイオンであることがわかります。

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