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Ca(カルシウム)調節の主役はビタミンD

正常の状態では、血中のカルシウム(Ca)は狭い範囲に調節されています。
それは、カルシウムの動態によって調節されています。
つまり、カルシウム(Ca)動態を担う実働部隊が、ビタミンDであるということができます。

 

例えば、血中カルシウムが上昇するとすると、
@ 腸管からの(正味の)吸収が増加する、
A 腎からの排泄が減少する、
という、「in/out」のほかにも、
B 骨吸収が骨形成を上回り、カルシウムが骨から血中に溶け出した場合
というように、カルシウムの動態には、3つの経路があります。
そして、この3つの経路全てに影響を与える物質として最も有名なものが「ビタミンD」です。

 

ビタミンDは、腸管からのカルシウム吸収を促すと共に、
腎からの排泄を抑え、さらに骨吸収を亢進させる、
つまり、骨から血中にカルシウムを移行させる作用があります。
そしての、どの作用も「血中カルシウム濃度を上昇させる」という方向に動きます。
ですから、ビタミンDが欠乏すると、
低Ca(カルシウム)血症が起こりうることは容易に理解することができます。

 

では、骨に沈着したカルシウム(Ca)の量はどうなるのでしょうか。

 

骨吸収が弱まるからといって、骨量が増加するわけではありません。
腸管からの吸収という、体内Ca量の絶対量を規定する経路が根元から抑えられるので、
骨の無機塩の量は減少してしまいます。
この状態が「骨軟化症」と呼ばれる病態です。
幼児期に、骨の無機塩の量が減少すると、症状の違いによって「くる病」と呼ばれる、
要するに骨軟化の病態になります。
骨軟化・くる病共に、ビタミンD欠乏が原因となります。

 

ビタミンDが、生理作用を十分に発揮するためには、体内で代謝を受けて活性化される必要があります。
具体的には、まず肝において構造が変化し蓄えられ、次に腎臓に運ばれて最終的な活性型に変化します。
つまり、腎は、Ca排泄を調節してくるビタミンDを、自らの手で活性化しているということができ、
ビタミンDが力を発揮するためには、肝・腎で活性化されることが必要だということがいえます。

 

この事実により、腎障害とカルシウム(Ca)異常とのは、密接な関係があることがわかります。

 

「ビタミン」とは本来、体内で合成できないため、
食べ物から摂取する必要のある物質につけられる総称で、
ビタミンDも当初はその一種と考えられていました。

 

ですが、やがて皮膚細胞で紫外線の力をかりながら
体内のコレステロールから合成できることが判明しています。

 

このような場合、通常は「ビタミン」の名を剥奪されるのですが、
生合成されるだけでは十分な必要量をまかなうことができず、不十分です。
そして、食事からの摂取が必要であり、食事からの摂取が十分でなければ、比較的容易に欠乏症をきたすので、
現在もビタミンの名が残っています。
その構造と作用により、ステロイドホルモンに分類される事もあります。

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