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胃潰瘍の原因

胃潰瘍の原因は、「ヘリコバクター・ピロリ」と、
薬剤(NSAIDs)内服が主なものとなっています。

 

そして、ストレス、アルコール、喫煙、塩分などが
増悪因子として関与しています。

 

日本では、若年層の20〜30%が、中年以降では、70〜80%が
ヘリコバクター・ピロリ感染者です。

 

ヘリコバクター・ピロリ感染は、
胃炎や消化性潰瘍のほか、
胃がんや胃過形成ポリープ、リンパ腫などのほか、
特発性出血板減少性紫斑病や、
小児の鉄欠乏製貧血などと密接な関係があります。

 

ヘリコバクター・ピロリに感染すると

 

ヘリコバクター・ピロリに感染すると、
正常であれば粘液によって保護されている胃粘膜に炎症が起こります。
ヘリコバクター・ピロリの毒素は、
弱酸性でも生存できるため、
胃の粘液による防御機能が破綻し、炎症をおこしてしまうのです。

 

胃潰瘍の分類

 

胃潰瘍は、潰瘍の起こり方から、
「急性潰瘍」と「慢性潰瘍」に分けられます。

 

潰瘍の深さによって「びらん」、「粘膜下層までの潰瘍」、
「固有筋層にいたる潰瘍」、「固有筋層をつらぬく潰瘍」に分けられます。

 

急性潰瘍は、胃においては一般に出血を伴った粘膜下層までの浅い潰瘍が多く、
胃潰瘍の70%は、単独の円形潰瘍です。

 

胃潰瘍の内視鏡的ステージ分類

 

活動期A1 : 厚苔(こうたい)をつけていて、
      周囲粘膜部が浮腫状に膨らんでいる状態です。。
       再生上皮がまったくみられません。

 

活動期A2 : 周囲の浮腫が減退し、潰瘍縁が明確に縁取られ、
      潰瘍縁においてわずかに再生上皮が出ている状態です。
       潰瘍辺縁の紅暈(こううん)や潰瘍縁に
      純白の苔帯(たいたい)が見られることが多いです。
       潰瘍縁まで粘膜ひだの集中を覆うことができる場合が多いです。

 

治癒期H1 : 白苔(はくたい)は薄くなり始め、再生上皮が潰瘍内へ
      せり出してきている状態です。
       辺縁部より潰瘍底への粘膜の傾斜は緩やかになり、
      潰瘍としての粘膜欠損は明らかで、
      潰瘍縁の腺は明確に縁取られています。

 

治癒期H2 : H1がさらに収縮し、潰瘍のほとんどが再生上皮で覆われています。
      ですが、わずかに白苔が残っている状態です。

 

瘢痕(はんこん)期S1、S2 : 潰瘍が表面を再生上皮で修復されて発赤班を残します(S1)。
              さらに完成されると消失して白色調になります(S2)。

 

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