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胃潰瘍の症状と合併症

胃潰瘍の症状は、食後の心窩部痛や嘔吐・嘔気、食欲不振が主な症状です。

 

胃潰瘍の患者さんのほとんどは、上腹部痛を訴えます。
上腹部とは、みぞおちのあたりです。

 

特に心窩部の痛みを訴える人が多く、胃潰瘍の50%以上に認められます。

 

また、胃潰瘍では、正中腺左が痛む傾向があります。

 

潰瘍が深く、漿膜に達すると、疼痛は増強し、
持続性となります。

 

胃潰瘍では食後痛が多いのですが、
空腹時痛や食事と無関係のものも若干認められます。

 

また、胸焼けも出現します。

 

嘔気や嘔吐は、潰瘍の約3分の1に、
腹部膨張感や食欲不振は約4割に認められます。

 

腹痛が強ければ強いほど潰瘍の状態が悪いというわけではなく、
胃潰瘍になっていても痛みを感じない場合もあり、
気がつくと穿孔性潰瘍になっているということもあります。

 

胃潰瘍の合併症には、出血、穿孔、幽門狭窄があります。

 

 

胃潰瘍の3大合併症<出血>

 

・潰瘍底の露出血管から動脈性出血があると、
吐血、および下血として症状が現れます。

 

・胃潰瘍による出血の初発症状としては、
嘔気・めまい・動悸・口渇(こうかつ)とともに
吐血したり、突然便意をもよおし下血します。

 

・吐血の場合、胃液と混ざり、赤褐色、
または黒褐色のコーヒー残渣様のようになります。

 

・下血の場合、50mLの少量出血でも、黒色便(タール便)になります。

 

・出血のとき、多くは心窩部痛などの症状を伴います。
急性潰瘍では、突発的に出血する場合もあります。

 

・出血量が多いと、排便中、またはその直後に失神することがあり、
出血性ショックに陥ることもあります。

 

胃潰瘍の3大合併症<穿孔>

 

・穿孔が起きると、突然心窩部に痛みを訴え、
右肩や背部に放散痛を生じることがあります。

 

・穿孔では、しばしば嘔気や嘔吐を伴い、
腹部は筋性防御によって板状硬(ばんじょうこう)になります。
そして、肝濁音界(かんだくおんかい)が消失し、
蠕動音も低下します。

 

胃潰瘍の3大合併症<幽門狭窄>

 

・潰瘍による浮腫や潰瘍瘢痕によって、
幽門や十二指腸球部の内腔が狭くなると、
食べ物の通過障害を起こします。
この状態を幽門狭窄といいます。
幽門狭窄は、難治性潰瘍の終末期像の一つです。

 

・幽門狭窄の初期には、食後に心窩部痛を生じます。
狭窄が進むとさらに胃液がたまり、
胃の膨満感を訴えるようになり、食欲不振や嘔気、嘔吐、
体重減少などの症状が出現します。

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