胃潰瘍の治療
胃潰瘍の治療は、ヘリコバクター・ピロリ感染があるかどうか、
非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)服用をしているかどうかなど、
まず、胃潰瘍の原因を探します。
そして、原因を検索した後、「改定胃潰瘍診療ガイドライン」の
「胃潰瘍診療のフローチャート」に沿って治療を行います。
胃潰瘍は、合併症がなければ、内服治療を行い、
合併症に対しては、外科的療法を行います。
胃潰瘍の出血があれば、内視鏡的止血法、
穿孔・狭窄があれば外科的手術を行います。
胃・十二指腸潰瘍のおもな治療/薬物療法(内科的治療)
胃・十二指腸潰瘍のおもな内科的治療には、以下のような治療法があります。
(1) ヘリコバクター・ピロリ感染(陰性)の場合
除菌療法として、プロトンポンプ阻害薬(PPI)と
アモキシシリン(AMPC)とクリスロマイシン(CAM)の
3剤療法(7日間連続投与)が奨励されます。
(2) ヘリコバクター・ピロリ感染(陰性)、非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)服用の場合
服用を中止します。
(3) 非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)服用中止が不可能な場合
酸分泌、特に夜間の酸分泌を抑制することが重要です。
プロトンポンプ阻害薬(PPI)、
プロスタグラジン製剤(PG製剤)を使用して治療します。
(4) 非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)服用なしの場合
@プロトンポンプ阻害薬(PPI)
AH2受容体拮抗薬
などを使用して治療します。
胃・十二指腸潰瘍のおもな治療/合併症に対する治療(内科・外科的療法)
胃・十二指腸潰瘍の合併症に対する治療には、以下のような治療法があります。
(1) 出血に対する治療
内視鏡的止血法 : 内視鏡的止血法は、活動性出血、湧出性出血、
露出血管を有するものに対して行う治療法です。
高張性ナトリウム−エピネフリン法や
純エタノール法などの薬剤局所注入法、
高周波電気凝固止血法、レーザー法などの熱凝固止血法、
機械的止血法であるクリップ法、
アルギン酸ナトリウム散布法、
トロンビン散布法などの薬剤散布法を実施します。
(2) 穿孔に対する治療
緊急開腹術を行ういます。
近年は、多くの例で薬物療法によって潰瘍が治癒し、
浮腫が消退して通過障害が改善するので、手術例は減少しています。
(3) 幽門狭窄に対する治療
内視鏡的バルーン拡張術、外科的手術を行います。
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