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看護師が知っておきたい筋萎縮性側索硬化症

筋萎縮性側索硬化症(ALS:amyotrophic lateral sclerosis)
とは、人の身体を思い通りに動かす筋肉を支配している
運動ニューロンが変性する原因不明の神経疾患です。

 

箸が持ちにくいなどの運動障害が見られるなどの症状から始まり、
嚥下障害や発生困難、呼吸麻痺にいたる進行性の疾患です。

 

平均発生年齢は60歳前後で、根本的な治療法はなく、
進行をとめることも出来ません。

 

人工呼吸器を装着しない場合の余命は、
発生から3〜4年で、
発病率は人口10万人当たり0.4〜1.9人くらいで、
多くは男性に発生します。

看護師が知っておきたい筋萎縮性側索硬化症の病態と症状

・筋萎縮性側索硬化症は、難病の一つに認定されています。

 

・自分の意思で動かすことが出来る随意筋に作用する運動ニューロンが侵されます。

 

・五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)や記憶、知性を司る神経、
内蔵の機能、自律神経、知的機能は正常に保たれます。

 

・筋肉のやせ細り(萎縮)や筋力低下が起こり、
徐々に歩行や身の回りの動作など、
日常生活動作(ADL:activities of daily living)の支援が必要になります。

 

・病気が進行すると、全身の随意筋が変性し、生命が脅かされる
「球麻痺」という症状が現れます。

 

 球麻痺症状(きゅうまひ)とは、呂律がまわらなかったり(構音障害)、
 飲みこみができない、むせるなどの嚥下障害があります。

 

  嚥下障害は、咽頭反射の減弱や化学反射の減弱、舌の筋力の低下、
 繊維束性収縮などによって起こります。

 

・発声ができなくなり、コミュニケーションがとりにくくなります。

 

・変化が現れにくい「陰性徴候」がみられます。

 

  陰性徴候とは、眼球運動障害、膀胱直腸障害、感覚障害、褥瘡、小脳症状、
 認知症、錐体外路徴候などです。

看護師が知っておきたい筋萎縮性側索硬化症記事一覧

筋萎縮性側索硬化症の解剖生理

私たちヒトの神経系は、「体性神経」と「自律神経」という2種類の神経から成り立っています。自律神経とは、心臓のように、外部刺激を受けない神経です。体性神経とは、外部からの刺激を受け取ったり、随意筋の働きをコントロールする神経です。そして、体性神経には、痛みや寒暖を感じる知覚神経と、運動をしたり重いもの...

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筋萎縮性側索硬化症の原因

筋萎縮性側索硬化症(ALS)の原因を探求するための研究は、目覚しい進歩を遂げています。ですが、現時点では、まだ十分に解明されていません。しかし、患者さんの5〜10%ほどが優性遺伝(若年発生、緩徐進行)で、そのうちの20%が染色体21番のSOD(superoxlde dismutase:スーパーオキシ...

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筋萎縮性側索硬化症(ALS)の認定基準

(1) 主要項目A. 以下の@〜Cの全てを満たす場合、筋萎縮性側索硬化症(ALS)と診断します。@ 成人発生。A 経過は進行性。B 神経所見・検査所見で、下記の1、または2のいずれかが該当する場合。 1. 1つ以上の領域に上位運動ニューロン徴候を認め、  かつ、2つ以上の領域に下位運動ニューロン徴候...

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筋萎縮性側索硬化症(ALS)の分類

筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、自分の意思で動かすことが出来る随意筋(骨格筋)に、やせ細り(萎縮)や筋力の低下が起こります。そして、侵される身体部位の症状の違いによって、病初期の病型には色々あります。筋萎縮性側索硬化症(ALS)の主な臨床表現型には、上肢遠部位から始まる古典型、進行性球麻痺型(PBP...

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筋萎縮性側索硬化症(ALS)の症状

運動ニューロンは脊髄にあります。そして、手や足、舌、咽頭、呼吸を司る全身の随意筋を支配しています。筋萎縮性側索硬化症(ALS)の最初の症状は、どの運動ニューロンが侵され、どの筋肉が弱くなるかによって異なりますが、初発しょうじょうとしては手足の麻痺、嚥下障害、コミュニケーション障害などの球麻痺症状が多...

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筋萎縮性側索硬化症(ALS)の合併症

筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者さんにみられる合併症。・呼吸器系肺炎(反復・難治性)、無気肺、気胸、呼吸に関する訴え・心循環器系呼吸器導入時の低血圧・意識消失、装着中の不整脈・高血圧・低血圧・消化器系流涎(りゅうぜん)過多・呑気症(どんきしょう)、反射的咬舌(こうぜつ)、腸管蠕動変化(便秘・下痢)...

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筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療

筋萎縮性側索硬化症(ALS)には、現在、根本的な治療法はありません。ですが、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の研究は日々進んでいます。そして、病気の進行を遅らせることが出来るようになっています。

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筋萎縮性側索硬化症(ALS)の呼吸管理

筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、適切な呼吸補助と全身管理を行なうことで、長期の生存も期待できる疾患です。呼吸補助が検討される時期は、一般的に努力性肺活量(%FVC)が50%以下になったときですが、呼吸捕助の開始は、患者さんのADLや構音障害、誤嚥のリスクとなる球麻痺症状の有無などを考慮し、その上で定...

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筋萎縮性側索硬化症(ALS)の栄養管理

筋萎縮性側索硬化症(ALS)では、嚥下障害が進行すると、栄養不良や脱水、誤飲などの危険が高くなります。そして、栄養状態は予後に影響するので、適切な栄養管理が必要になってきます。経口摂取が困難になった場合は、胃に直接カテーテルなどをいれ、栄養を補給する「経管栄養法」という方法がとられます。経管栄養を行...

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筋萎縮性側索硬化症(ALS)のリハビリテーション

筋萎縮性側索硬化症(ALS)の場合、筋力の改善は、一般的には期待できません。ですが、関節の拘縮を防ぐため、症状が軽いうちから全身の関節のストレッチ運動を行ないます。しかし、筋力維持のため、強い運動強度を負荷する事は、逆に筋肉が痩せるなど悪影響を及ぼす可能性もあることから、積極的なリハビリテーションは...

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筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の臨床病気と看護内容

(1) 運動・歩行可能な時期披露しない程度の運動、柔軟体操・歩行困難な時期歩行器や車いす、電動車いす、リクライニング車いす、杖、上肢筋力低下→自助具の工夫、自宅改造→手すりの取り付け、段差をなくす・臥床期関節可動域訓練、マットの選択(2) コミュニケーション・上肢の動作が可能な時期筆談、ナースコール...

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