筋萎縮性側索硬化症(ALS)の症状
運動ニューロンは脊髄にあります。
そして、手や足、舌、咽頭、呼吸を司る全身の随意筋を支配しています。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の最初の症状は、
どの運動ニューロンが侵され、どの筋肉が弱くなるかによって異なりますが、
初発しょうじょうとしては手足の麻痺、嚥下障害、コミュニケーション障害などの
球麻痺症状が多いです。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)では、呼吸を行なう筋肉が衰え、
呼吸障害が出現します。
ですから、夜間十分眠った気がしない、
起床時に疲労を感じる、頭が重いなどの症状を訴える患者さんも少なくありません。
呼吸障害が進むと、仰向けで寝ることが出来なくなり、
横を向くか、頭を高くしないと眠れなくなります。
息を吸う力が弱くなれば、同時に咳をする力が弱くなり、
淡や誤嚥した食べ物などを吐き出しにくくなるなどします。
さらに呼吸筋が弱まり、呼吸困難を生じると、
人工呼吸器の助けを借りなければ呼吸が出来なくなります。
手足の麻痺による運動障害
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者さんの75%くらいの人が、
手足の動きに異常を感じて病院を訪れます。
初めの症状は、「箸が持ちにくい」、「重いものが持てない」、
「手や足が上がらない」、「走りにくい」、「疲れやすい」、
「手足が腫れる」、「筋肉がピクつく」、「筋肉の痛みやつっぱり」
などの自覚症状です。
初めの症状が出てから、徐々に手足の筋肉が弱くなりやせ細ってきます。
進行すると、日常生活動作(ADL)の自立が難しくなり、支援が必要になります。
球麻痺症状
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者さんの25%くらいが、
初期症状として「舌や咽頭の筋肉の弱まり」、
「話しにくくなる」、「唾液や食べ物が飲み込みにくい」などの症状を訴えます。
・嚥下障害
嚥下障害が起きると、舌や咽頭の筋肉が弱くなるために、
食べ物や唾液を飲みにくくなり、むせることが多くなります。
嚥下障害のため、食べ物の嚥下が難しくなると、
経口摂取ができなくなるので、栄養管理が必要になります。
体力を維持するための栄養物を摂取するために、
経口摂取から経管栄養へ移行していきます。
・コミュニケーション障害
筋萎縮性側索硬化症(ALS)では、舌が萎縮したり、動きが思い通りにならないため、
言葉が不明瞭になり、「らりるれろ、ぱぴぷぺぽ」の発音がしにくくなります。
進行すると発語が難しくなり、同時に手や指の筋肉も弱くなるので、
筋力を失って筆談も出来なくなります。
このようなことから、意思伝達を含むコミュニケーションに障害が生じます。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の症状関連ページ
- 筋萎縮性側索硬化症の解剖生理
- 筋萎縮性側索硬化症の解剖生理について解説
- 筋萎縮性側索硬化症の原因
- 筋萎縮性側索硬化症の原因について。看護師のための筋萎縮性側索硬化症の解説サイト
- 筋萎縮性側索硬化症(ALS)の認定基準
- 筋萎縮性側索硬化症(ALS)の認定基準について。看護師のための筋萎縮性側索硬化症の解説サイト
- 筋萎縮性側索硬化症(ALS)の分類
- 筋萎縮性側索硬化症(ALS)の分類について。看護師のための筋萎縮性側索硬化症の解説サイト
- 筋萎縮性側索硬化症(ALS)の合併症
- 筋萎縮性側索硬化症(ALS)の合併症について。看護師のための筋萎縮性側索硬化症の解説サイト
- 筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療
- 筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療について。看護師のための筋萎縮性側索硬化症の解説サイト
- 筋萎縮性側索硬化症(ALS)の呼吸管理
- 筋萎縮性側索硬化症(ALS)の呼吸管理について。看護師のための筋萎縮性側索硬化症の解説サイト
- 筋萎縮性側索硬化症(ALS)の栄養管理
- 筋萎縮性側索硬化症(ALS)の栄養管理について。看護師のための筋萎縮性側索硬化症の解説サイト
- 筋萎縮性側索硬化症(ALS)のリハビリテーション
- 筋萎縮性側索硬化症(ALS)のリハビリテーションについて。看護師のための筋萎縮性側索硬化症の解説サイト
- 筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の臨床病気と看護内容
- 筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の臨床病気と看護内容について。看護師のための筋萎縮性側索硬化症の解説サイト