変形性股関節症のX線像の評価
変形性股関節症の一般的なX線所見では、
関節裂隙の狭小化や関節面の不適合、軟骨下骨の硬化、骨嚢胞、骨棘形成が見られます。
判定4: 関節裂隙 → ほぼ正常
骨構造の変化 → ほとんどなし
臼蓋および骨頭の変化 → ほぼ正常
判定3: 関節裂隙 → ほぼ狭小化なし
骨構造の変化 → 骨梁配列の変化がありうる
臼蓋および骨頭の変化 → 先天性、後天性の変形あり
判定2: 関節裂隙 → 軽度もしくは中等度の狭小化
骨構造の変化 → 臼蓋の骨硬化
臼蓋および骨頭の変化 → 軽度の骨棘形成
判定1: 関節裂隙 → 高度の狭小化、あるいは部分的な軟骨下骨質の接触
骨構造の変化 → 臼蓋の骨硬化、臼蓋あるいは骨頭の骨嚢胞
臼蓋および骨頭の変化 → 骨棘形成あり、臼底の増殖性変化
判定0: 関節裂隙 → 荷重部関節裂隙の広範な消失
骨構造の変化 → 広範な骨硬化、巨大な骨嚢法
臼蓋および骨頭の変化 → 著明な骨棘形成や臼底の二重像、臼蓋の破裂
関節裂隙の状態によるX線像の評価
日本整形外科学会による変形性股関節症のX線像の評価では、
関節裂隙、骨構造の変化、臼蓋および骨頭の変化からなります。
そして、前、初期、進行期、末期の病気分類は、関節裂隙の状態が基本になります。
前股関節症: 関節面の不適合 (±)
関節裂隙の狭小化 (−)
軟骨下骨質の接触 (−)
荷重部関節裂隙の消失 (−)
初期関節症: 関節面の不適合 (+)
関節裂隙の狭小化 (±)/部分的
軟骨下骨質の接触 (−)
荷重部関節裂隙の消失 (−)
進行期関節症: 関節面の不適合 (+)
関節裂隙の狭小化 (+)
軟骨下骨質の接触 (+)/部分的
荷重部関節裂隙の消失 (+)
末期関節症: 関節面の不適合 (++)
関節裂隙の狭小化 (++)
軟骨下骨質の接触 (++)
荷重部関節裂隙の消失 (++)
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