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変形性股関節症の手術療法

寛骨臼回転骨切り術

 

寛骨臼骨切り術は、臼蓋形成不全に対して、寛骨臼を移動して大腿骨骨頭の被膜を改善する手術です。

 

寛骨臼回転骨切り術は、適応範囲が広く、青年期、或いは壮年期の前・初期股関節症が対象になります。

 

大腿骨骨切り術

 

大腿骨骨切り術は、大腿骨の転子部で内反或いは外反させることで荷重部から外れる時に適応があります。

 

大腿骨骨切り術は、下肢内転位、外転位の正面X線像で、良好な関節適合面があると手術適応になります。

 

まず、転子間で楔状に骨片を切除し、スクリューとプレートを使用して骨接合術を行います。
骨頭が内方に移動し、関節裂隙が拡大します。

 

人工股関節全置換術(THA)

 

人工股関節全置換術(THA)は、末期股関節症で疼痛と関節可動域制限が強い
60歳以上の高齢者の適応が望ましいとされています。
ですが、両側例では、50歳代からも行われるようになっていて、
現在もっとも多く行われている術式です。

 

そして、セメント使用型THAとセメント非使用型THAに加え、
セメント使用型とセメント非使用型を組み合わせたハイブリッとTHAも行われるようになっています。

人工股関節全置換術(THA)を受ける患者さんの看護

人工股関節全置換術(THA)の術後は、感染予防、深部静脈血栓症予防、
脱臼予防(良肢位の保持)、離床に向けたリハビリテーションなどがあります。

 

臥位から端座位、端座位から車いすなど、
移動時には患者さんが脱臼しやすい肢位をとりやすく、注意が必要です。

 

外転・回旋中間位を保ちながら移動できるよう患肢を支持します。

 

車いす使用の許可がでたら、洗面などを積極的な離床の機会としますが、
前屈しやすいので注意が必要です。

 

シャワー浴が許可されたら、下肢を洗う際は前屈しやすいので、
最初は介助し、徐々にあぐらを組むようにして洗うなど、指導していきます。

 

良肢位の保持はとても大切です。
脱臼予防のため、術後はやや外転、回旋中間位という良肢位の保持が必要です。
患者さんは、術前から訓練をしてもらうようにします。

 

良肢位の保持をするためには、外転台を使用した体位変換や、体位の保持が必要です。
仰臥位で外転枕を使用するのも良い方法です。

人工股関節全置換術(THA)を受ける患者さんの術後合併症

感染

 

術後の患者さんの状態や創部をチェックします。    
いったん感染が発生すると、治療はかなり難渋になります。

 

深部静脈血栓症/肺塞栓症

 

深部静脈血栓症では、下肢の腫脹や下腿の把握痛などがみられます。

 

肺塞栓症では、呼吸困難、胸部痛、酸素飽和度の低下がみられます。

 

人工股関節全置換術(THA)の術後は、定期的にD-ダイマーを測定します。

 

深部静脈血栓症や肺塞栓症の予防法として、弾性ストッキングを着用したり、
フットポンプの装着、患者さん自身による足関節底背屈運動、抗血栓療法などを行います。

 

脱臼

 

人工股関節全置換術(THA)の術後は、股関節の伸展や屈曲、
トイレでの移乗時や足元の落し物を拾うときなどに脱臼することがあります。

 

脱臼すると、患者さんは疼痛を訴え、患肢が短縮します。

 

脱臼整復は、なるべく早い時期に、鎮静下で行います。

 

一度脱臼すると、再脱臼の確率が高くなるので、
患者指導による術後早期の脱臼予防を行います。

 

ゆるみ

 

挿入物の耐用年数の問題で、挿入物に緩みが生じることがあります。
ゆるみが生じれば疼痛が出現するので、再置換術が余儀なくされます。

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