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変形性股関節症の検査と診断

変形性股関節症のほかにも、股関節に痛みを感じる病気があります。
また、変形性股関節症に直接関係のある病気と、そうではない病気があるので、
鑑別がとても重要です。

診断する際に注意すべき股関節痛を伴う疾患

関節唇損傷

 

関節唇(かんせつしん)は、大腿骨の安定性を高めています。
股関節を大きく動かすスポーツなどによって股関節を深く曲げる動作をすると、
大腿骨頭が関節唇にぶつかって傷つきやすくなります。

 

関節唇には関節軟骨と異なり、感覚神経があります。
そのため損傷があると痛みを感じる場合があります。
変形性股関節症の患者さんの多くに、関節唇の変性や断裂などの損傷が見られます。

 

FAI(大腿骨寛骨臼インピンジメント)

 

FAI(大腿骨寛骨臼インピンジメント)は、股関節の形状に異常があり、
大腿骨骨と寛骨臼がぶつかりやすいために、痛みが起きるものです。

 

大腿骨骨と寛骨臼がぶつかるために、関節軟骨が損傷したり、関節唇が損傷したりします。

 

大腿骨骨頭壊死症

 

大腿骨骨頭は、関節軟骨で覆われています。
その関節軟骨の下にある骨の組織が壊死する疾患が、大腿骨骨頭壊死症です。

 

大腿骨骨頭壊死症の原因は、はっきり分っていませんが、
ステロイド薬の使用や、大量飲酒との関係が深いといわれています。

 

壊死が起きていても、初期の段階では痛みを感じない場合もあります。
ですが、壊死が起きている部分に体重がかかり、その部分が広がってつぶれると、
次第に痛みを感じるようになります。

 

薬物療法で痛みをとめることができますが、進行した場合は、手術が必要になります。

 

急性破壊型股関節症

 

急性破壊型股関節症は、強烈な痛みと共に、
股関節の破壊が半年から一年程度で急速に進む疾患です。
閉経後の高齢女性に多い疾患で、骨粗鬆症との関係が深いです。

 

急性破壊型股関節症では、一般的に、人工関節を使用した手術が適応になります。

 

大腿骨骨頭軟骨下脆弱性骨折(SIF)

 

大腿骨骨頭軟骨下脆弱性骨折(SIF)は、
大腿骨骨頭の関節軟骨の下にある骨で骨折が起きる疾患です。

 

骨粗鬆症が進行した人にみられる疾患で、
この大腿骨骨頭軟骨下脆弱性骨折(SIF)が起きると一年以内に股関節が急速に壊れ、
変形性股関節症に至ります。

 

ヒップ−スパイン・シンドローム

 

ヒップ−スパイン・シンドロームは、股関節と脊椎(腰椎)が互いに悪影響を及ぼしあい、
様々な症状が出る状態を示します。

 

例えば、片方の股関節に異常があると、脚の長さに左右差が生じます。
すると、骨盤が傾き、その結果、その傾きを補正するために脊椎が彎曲し、
腰痛の原因になります。

 

関節リウマチ

 

関節リウマチは、関節に慢性的な炎症が起き、進行すると関節が破壊される疾患です。
免疫に異常が生じ、自分の体を攻撃してしまう自己免疫性疾患と考えられています。

 

骨粗鬆症

 

骨粗鬆症は、骨量が少ないために骨がもろくなり、
骨折を起こしやすくなる全身性の疾患です。

 

変形性股関節症の発症に直接の関係はありません。

 

鼠径ヘルニア

 

鼠径ヘルニアは、鼠径部(脚の付け根)に腸の一部が飛び出した状態で、
一般的には、脱腸と呼ばれます。

 

脚のつけ根に痛みを感じるため、
股関節の痛みと勘違いすることがあります。

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