看護記録の書き方のキホン

当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。

腫瘍マーカーの異常の鑑別に使う検査異常値

腫瘍マーカーがの検査をして、検査値が陽性の場合、
それは、がんの症状だと考えてしまいます。

 

ですが、感度・特異度ともに、100%というマーカーはありません。

 

●腫瘍マーカーとは

 

腫瘍マーカーとは、がんを疑う際の診断、
或いは治療効果の判定や再発の有無を判断するために用いられる検査の値です。

 

現在は40ほどの腫瘍マーカー検査項目を、保険診療で行う事ができます。

 

腫瘍マーカーの検査は、
腫瘍細胞が産生する物質、または腫瘍があることで反応する物質、
腫瘍による傷害で血中や体液中に逸脱される物質を検査することにより、
腫瘍の存在や種類、進行の程度を知る目安にすることができます。

 

そして、検査された値が、基準値(カットオフ値)を上回ると陽性、
下回ると陰性とします。

 

しかし、腫瘍マーカーのみで、早期のがんを見極めることはできません。

 

・感度とは

 

実際にがんがある患者さんのうち、どの程度の確率で陽性になるかを「感度」といいます。

 

この感度が100%の腫瘍マーカーはありません。
30%程度しかない腫瘍マーカーもあります。

 

つまり、陰性だからといって、がんを否定することはできません。

 

・特異度とは

 

健常者や良性疾患の患者さんが、どの程度陰性を示すかという確率を「特異度」といいます。

 

この特異度に関しても100%ではありません。

 

正常細胞にも存在し、炎症など良性疾患でも陽性になる場合もあります。

 

つまり、陽性だからといって必ずしもがんであるとは限りません。

 

 

●臓器特異性

 

臓器特異性は、マーカーで異なります。

 

腫瘍マーカーは、比較的特定の臓器に反応する臓器特異的マーカーと、
多臓器のがんで上昇する臓器非特異的マーカーがあります。

 

・臓器特異的マーカー

 

PIVA-U(肝臓)、PSA(前立腺)、AFP(肝臓)、CYFRA(肺)、CA125(卵巣)

 

・臓器非特異的マーカー

 

CEA、BFP

 

●腫瘍マーカーの役割

 

腫瘍マーカーは、がんの再発の監視や治療効果の判定の際に、
とても大きな効果を発揮します。

 

例えば、胃がんの手術によって腫瘍を切除した場合、
術後の腫瘍マーカーの数値は一気に低下します。
その時点から腫瘍マーカーの数値を監視し、
数値に少しでも上昇が見られたら再発の検討を行う検査として
CT検査や内視鏡検査を行います。
通常の検査は、採血検査のみですから、
患者さんの負担も少なくて済みます。

 

腫瘍マーカーは、既に存在しているがんの種類を推定する場合にも用います。

 

例えば、肺がんに対して行った腫瘍マーカーProGRP検査が陽性の場合は、
小細胞肺がんであるというように、
ある程度のタイプわけができます。

 

もちろん、腫瘍マーカーだけでは判断しません。
病理検査で確定診断をしていきます。

 

また、肝硬変の患者さんで、肝臓がん発症の疑いが強い場合、
画像診断には現れていないというときも、
がんの監視のために行う検査として、腫瘍マーカーの値が役立ちます。

腫瘍マーカーの異常の鑑別に使う検査異常値関連ページ

虚血性心疾患の鑑別に使う検査異常値
看護師のための症状の鑑別に使う虚血性心疾患の鑑別に使う検査異常値について解説サイト
肝機能障害の鑑別に使う検査異常値
看護師のための症状の鑑別に使う肝機能障害の鑑別に使う検査異常値について解説サイト
腎機能障害の鑑別に使う検査異常値
看護師のための腎機能障害の鑑別に使う検査異常値について解説サイト
耐糖能異常の鑑別に使う検査異常値
看護師のための耐糖能異常の鑑別に使う検査異常値について解説サイト
貧血の鑑別に使う検査異常値
看護師のための貧血の鑑別に使う検査異常値について解説サイト