呼吸器の構造と気管支喘息が起きるメカニズム
気管支喘息がなぜ起きるのか?
というメカニズムを知るために、
まず、呼吸器の構造についてみてみましょう。
呼吸器の構造
呼吸器の構造
・上気道
上気道とは、口腔(こうくう)、鼻腔(びくう)、咽頭(いんとう)を通って、
声門から気管にいたるまでの空気の通り道のことです。
・下気道
下気道とは、気管から気管支、肺にいたるまでの空気の通り道のことです。
・気管
気管は、肺門部から、右は上葉→中葉→下葉となっていて、
左や上葉→下葉となっています。
このように左側の肺は、心臓の影響もあることから、
2葉のみになります。
気管の構造
・大きさ
気管の直径は20〜25mmほどで、長さは11cmほどです。
・気管の構造
気管の内腔から粘膜上皮、粘膜固有層があり、
その外側に平滑筋層があります。
気管の周囲の構造は、食道に接している部分を除き、
軟骨で覆われています。
つまり、つぶれないように保護されているのです。
そして、気管は、熱や温度、異物などによる刺激を感じると、
咳や反射運動などによって、その刺激を除去しようとする反応が起こります。
・気管支の構造
気管は、大動脈弓の曲部付近(第4〜5胸椎)の高さで
左右の主気管支に分かれています。
そして、気管支はさらに細くなっています。
気管支は、葉気管支→細気管支→終末細気管支→呼吸細気管支となり、
最も細い気管支は、内径0.5mmほどの細さです。
肺胞は、二酸化炭素と酸素のガス交換を行っています。
このような気管・気管支の構造をイメージして、
次は気管支喘息が起こるメカニズムについてみてみます。
気管支喘息が起きるメカニズム
気管支喘息は、アレルゲンとなるダニや埃、カビや花粉、ペットの毛などによって
気道が刺激され、炎症が起こります。
そして、アレルゲンが肥満細胞の表面についているIgE抗体と反応すると、
肥満細胞が指摘され、ヒスタミンヤロイコトリエンといった
化学伝達物質を放出します。
気道の平滑筋が痙攣を起こしたような状態となり、
患者さんは息苦しくなります。
気管支の内腔では、粘膜がむくんでしまい、痰がたまり、
気道が狭くなります。
そして、気道の粘膜の炎症が悪化し、喘息の発作が起こります。
この発作が慢性化すると、
慢性の喘息疾患と呼ばれるようになります。
慢性化してしまうと、治療が難しくなります。
なるべく早く、症状の軽いうちに専門医による適切な治療を受けることが必要です。
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