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経管栄養法(経鼻栄養法)の実施

経管栄養法は、患者さんの咀嚼や嚥下の状態を評価し、
経管栄養法が適用であるか、経管栄養法を行うメリットがあるかどうかを十分に検討し、
患者さんや家族の理解、納得の上で実施することが大切です。

経管栄養法の必要物品

経鼻胃管チューブ(経腸栄養剤や鼻腔の大きさ、鼻腔や咽頭、喉頭の刺激の程度によって選択します)、
キシロカインゼリー、注射器(20〜 50mL)、聴診器、チューブ固定用テープ、栄養剤(必要時・内服薬)、
注入用バッグ、注入用ポンプ、ティッシュペーパーなどです。
注入用ポンプでは、一定量で栄養を注入します。
下痢や嘔吐がある場合や、胃の容量力が小さい場合、
注入速度が速いと栄養剤が一時的に胃に貯留し、逆流したり嘔吐してしまう可能性があります。

経管栄養法の手順

(1) 経管栄養チューブの挿入手順

 

手を洗い、患者さんや家族へ説明をします。

 

体位は、仰臥位として上半身を45℃ほど拳上します。
(頭部を少し拳上すると、あごを引いた状態になるので気管が閉じ、チューブが食道に入りやすくなります。)

 

外鼻腔をしっかり観察し、挿入しやすい鼻腔を選択します。
(チューブ交換は、皮膚の損傷を予防するため、挿入されていた鼻腔と反対の鼻腔から行うと良いでしょう。)

 

挿入チューブの長さは、挿入側の鼻孔から耳朶を通って、剣状突起までの長さにします。
およその挿入位置を確認しておきます。

 

ティッシュペーパーにキシロカインゼリーをつけて、チューブの先端にキシロカインゼリーを塗布します。

 

鼻孔から後咽頭へチューブを挿入します。
このとき、鼻腔粘膜を損傷しないように気をつけます。

 

チューブがとぐろを巻いて口腔内で留まっていないかどうかを確認します。

 

ゴックンと唾液を飲み込むように患者さんを促し、それに合わせてチューブを挿入します。

 

予定の挿入位置までチューブを進めます。

 

注射器を装着し、胃の内容物を吸引します。
この過程によってチューブの先端が胃内に入っているかを確認することができます。
空気を注射器で胃内に注入して季肋部に聴診器を当てるか、直接耳をあてて
空気の注入音を確認する方法もあります。

 

チューブを固定します。
鼻翼や頬に低刺激性のテープを貼って固定します。
固定によって鼻翼部が圧迫壊死をおこす事もあるので、テープの張り替え時に皮膚の観察を十分に行うようにします。

経管栄養法の栄養剤の注入手順

栄養剤を、ミキサーやシェーキングボトル、泡だて器、スプーンなどで混ぜて溶解するか、
湯煎で37〜38℃に温めます。
溶解するときには、微温湯を使うと溶けやすくなりますが、
加熱する際、60度以上になると栄養素が破壊されます。
特に、ビタミンAやビタミンCは熱に弱いので注意します。

 

イリゲーターの準備をします。
患者さんの側にあるフック(壁や鴨居、天井に紐をかけて吊るす)にかけて、クレンメをとめます。
イリゲーターに温めた栄養剤を入れてクレンメをゆるめ、
イリゲーターのチューブ内に栄養剤を満たします。

 

患者さんの頭を、座位にするなど40度以上上げて体位を整えます。
吸引やオムツ交換は栄養を注入する前に済ませておき、
チューブ先端が抜けていないか、胃内に確実に入っているかを再度確認するため、
注射器で胃の内容物を吸引します。

 

栄養剤を注入します。
患者さんに挿入しているチューブとイリゲーターのチューブを接続します。
注入速度の目安は、一時間〜一時間半あたり400〜500mlとなっていますが、
患者さんの状態によって調整し、
下痢や嘔吐しやすい場合はゆっくり注入するようにします。

 

注入中は、嘔吐や腹痛の有無、注入速度などを観察しながら、管理をしていきます。

 

栄養剤の注入を終了します。

 

注射器で微温湯を20mlほどチューブに注入して、チューブ内を清掃します。

 

食後の内服薬があれば準備をします。
粉末上の薬剤を微温湯10〜20mlで溶かして注射器で吸い上げ、チューブから注入します。
薬物注入の後も、注射器で微温湯を20mlほどチューブに注入して、チューブ内を清掃します。

物品や薬剤の管理など

使用した注射器やイリゲーターを湯で洗浄し、乾燥させるなど後片付けをします。
コップを洗うブラシなどを使用し、イリゲーターは、一週間に一回ほど、汚れが落ちなくなった時点で交換します。

 

栄養剤・薬剤の注入が終わったら、市販の食酢に水を加えて10倍に希釈した酢水を
チューブ内に貯めるとチューブ内の汚れの付着を予防することができ、
チューブ交換の頻度を減らすことができます。

 

栄養剤や薬物の溶解が不十分であったり、チューブが汚れている時などは、
チューブが閉塞することがあります。
また、チューブが曲がっていると栄養剤の滴下不良になることもあります。

 

チューブが閉塞した時には、まず、微温湯を20mlほど注射器で注入しますが、
それでも詰まった状態の時にはチューブを交換します。

 

基本的に、チューブの交換は、2週間に一度程度が目安です。

 

細菌の繁殖を予防するため、ミルトンなど、0.01%次亜塩素酸ナトリウムをイリゲーター内に満たして一時間ほど乾燥すると効果があります。

 

洗浄し、乾燥した使用物品は、ほこりが付着しないように食器棚に保管します。

 

薬剤を粉末にすることにより薬効が変化するものもあります。
事前に薬局で確認し、可能であれば処方時に粉末にしてもらいます。

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