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子宮頸がんの治療法

子宮頸がんの治療方法は、ガンの進行度、年齢、全身状態、
妊孕性(にんようせい/妊娠能力)によって選択していきます。

 

ごく初期のがんであれば、妊娠・出産を諦めなくてもよいことがあります。

 

女性生殖器の摘出は、女性性の喪失感を抱きやすく、
術後の合併症や副作用など、
QOL(quality of life/生活の質)への影響が大きいため、
看護師の精神的なケアも必要になります。

子宮頸がんの手術術式と内容

子宮頸部円錐切除術

 

子宮頸部円錐切除術は、外子宮口を含む円状の領域を底面にし、
子宮頸部を円錐形に切除する手術です。

 

子宮頸部の初期病変の診断確定のために行われる手術ですが、
ごく初期のがんの場合などは、治療的な適応もあります。

 

子宮頸部円錐切除術は子宮を残すため、
月経もあり、妊娠・出産が可能です。

 

切除範囲は、術前の組織診、頸管内病変の可能性、
妊孕性(妊娠できる機能)、温存希望などで決定します。

 

子宮頸部円錐切除術にかかる施術時間は、
30分以内で、日帰りが可能なこともあります。

 

入院する場合は、1〜3日間の入院期間になります。

 

単純子宮全摘出術

 

単純子宮全摘出術は、腹式、膣式、或いは内視鏡下で行われる手術です。

 

未切除部分にがん細胞が残っている可能性が高いと判断された場合は、
子宮円錐切除術の後、単純子宮全摘出術を行うこともあります。

 

病巣最外端と切創縁との距離をとるため、
膣壁を多少切除する必要があります。

 

単純子宮全摘出術では、多くの場合は、卵巣を残すことができるので、
女性ホルモンの分泌は保たれます。

 

手術にかかる時間は、1〜2時間くらいで、
入院期間は、7〜10日間ほどになります。

 

準広汎子宮全摘出術

 

準広汎子宮全摘出術は、広汎子宮全摘出術と単純子宮全摘出術の中間的な形式で、
単純子宮全摘出術より少し広めに切除する方法です。

 

膀胱子宮靭帯の前層を切断し、
子宮傍組織と膣壁を子宮頸部からやや離れた部位で切断します。

 

骨盤内のリンパ節に転移しやすいので、
血管やリンパ管などの中に入り込んでいる
「脈管侵襲」や「癒合浸潤」の場合は、
骨盤リンパ節を全て摘出(郭清)します。

 

骨盤リンパ節郭清によって、リンパの流れに障害が起こり、
下肢の浮腫や骨盤内にリンパ嚢胞という中に液体のたまった空洞が形成され、
感染を起こす可能性があります。

 

準広汎子宮全摘出術にかかる手術時間は2〜4時間くらいで、
入院期間は、7〜14日くらいです。

 

広汎子宮全摘出術

 

広汎子宮全摘出術とは、子宮・子宮傍組織、膣壁・膣傍組織の一部を摘出し、
骨盤内所属リンパ節を全て切除する手術です。

 

子宮傍組織である基靭帯には、血管やリンパ管が含まれています。
ですから、子宮頸がんの主な浸潤経路になります。

 

幅広い切除になるため、身体への負担が大きく、
術後、合併症が起こりやすいです。

 

排泄機能に関する神経を切断する場合は、
術後に排尿障害や尿失禁などが生じる可能性があります。

 

骨盤リンパ節の郭清範囲を慎重に選定し、
骨盤神経温存術式を取り入れるようにします。

 

広汎子宮全摘出術での卵巣摘出は、心身にさまざまな影響があります。

 

卵巣への転移は、扁平上皮がんでは0〜0.5%ほどですが、
腺がんでは2〜14%と高率となっていて、
病態に応じた個別の判断が必要になります。

 

手術にかかる時間は3〜8時間で、入院期間は、10〜21日くらいになりますが、
合併症などが起こると、もう少し入院が長引くことがあります。

 

広汎子宮頸部摘出術

 

広汎子宮頸部摘出術は、子宮頸部の浸潤がんで、
子宮頸部、子宮傍組織、膣壁、及び膣傍組織の一部を摘出し、
骨盤内リンパ節を郭清します。

 

そして、子宮体部を温存し、残存頸部と膣とを縫合することにより、
妊孕性を温存する新しい術式のことです。

 

つまり、がんが広がる確率が少ない子宮体部を残し、
ほかは広汎子宮全摘出術と同じように手術を行います。

 

新しい術式でもあることから、
広汎子宮頸部摘出術は、どこの病院でも実施が可能というわけではありません。

 

超広汎子宮全摘出術

 

超広汎子宮全摘出術は、側方の子宮傍組織への浸潤や、
基靭帯リンパ節の腫大が著しい場合などに行われる手術です。

 

超広汎子宮全摘出術は、内腸骨動静脈、下殿動静脈、
内陰部動静脈を切除し、
骨盤壁付着部を含め、基靭帯の根部から摘出します。

 

術後の合併症などによって、入院期間は変化します。

 

骨盤除臓術

 

骨盤除臓術は、骨盤内再発で、
特に膣断端の中央部の再発例で選択される手術療法です。

 

再発病巣が周囲の臓器に及んでいる場合は、
それら臓器を全て摘出します。

 

がんが膀胱へ及んでいる場合、膀胱も併せて摘出し、
人工膀胱を造設し、直腸へ及んでいる場合は、
直腸も併せて摘出し、人工肛門を造設します。

 

術後の合併症などによって、
或いは人工肛門によって、入院期間は変化します。

 

その他の治療

 

がんが一度治癒された後再び発生する「再発」や、
治癒の可能性がない場合に、
骨盤除臓術を行ったり、放射線療法を行う等して、
疼痛などの症状を緩和するための治療を行うこともあります。

 

また、遠隔転移再発等の場合は、
病巣が一部分であれば、外科手術を行う場合もありますが、
多臓器の場合や、再発、多発性の転移の場合は、
全てを外科手術で取り除くことはできないので、
化学療法を選択することが多いです。

 

とはいっても、標準的治療法は確立されていないため、
再発部位にあわせたり、その患者さんの状態を見るなどして、
一人ひとりに適切な治療を組み合わせて行います。

 

治癒目的ではなく、症状を軽減させる治療を主に行う場合もあります。

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