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薬液が漏れてしまった場合の対応

穿刺する部位は安定する場所

 

血管外へ薬剤が漏れてしまうと、周辺組織の組織損傷につながってしまいます。

 

漏出後には、急性の炎症反応が起こり、発赤や腫脹、疼痛などの症状が現れます。
一般的な輸液剤や抗生剤は、急性の炎症反応が起きた後、時間の経過と共に症状は消失します。
ですが、抗がん剤は急性の炎症反応に続き、
抗がん剤特有の細胞毒性によって組織傷害が持続します。
そして、皮膚障害が重篤化し、壊死してしまう可能性もあります。

 

ですから、第一は、血管外漏出を避けることです。

 

血管外漏出を避けるためには、穿刺部位の選択はとても大切です。
手背や関節などは皮下組織が薄いので、針が血管から外れやすく、
腱や神経が多く存在しています。
特に手背や足背は、薬剤の漏出によって局部組織の圧力が高くなり、
血流が阻害され壊死が生じやすくなるので、これらの部位への穿刺はなるべく避けるようにします。

 

観察は頻回

 

栄養状態が悪化している患者さんには、
皮下組織の脂肪や真皮の弾力繊維の減少が見られます。
また、糖尿病などでも血管の内膜が厚くなって内腔が狭くなり、
脆弱化している場合があります。
さらに、何度も穿刺している部位は、血管が脆弱化しているので避ける必要がありまs。
特に高齢者は痛みの反応が鈍化しているので、
薬液漏出の発見が遅れて、大量の輸液剤が血管外に漏出してしまうこともあります。

 

栄養状態の悪い患者さん、意識状態の悪い患者さん、
高齢の患者さんに輸液を行う時には、漏出を早期に発見するため、
観察を頻回に行うようにします。

 

漏れたときに危険な薬剤と対処法

 

もし、血管外漏出を確認したら、速やかに輸液を中止し、
なるべく針やチューブ内に残った薬剤を吸引してからカテーテルを抜去し、処置をします。

 

今のところ、明確なエビデンスはありません。
一般的にはステロイド局所注射と、リバノール湿布を行う事が多いようです。

 

一般の輸液剤や抗生剤の場合は、少量漏れただけであれば、
温めて吸収させ、炎症を起こしているようであれば、
氷嚢などで患部を冷やす冷罨法で炎症反応を軽減させます。

 

そして、どの薬剤がどれだけ皮下に漏れたかを正確に把握し、
医師に報告します。

血管外漏出したときに組織障害をもたらす主な薬剤

・塩酸ドバミン(イノバン、プレドバ)
・エビネフリン(ボスミン)
・ノルエビネフリン(ノルアドレナリン)
・メシル酸ガベキサート(エフオーワイ)
・アシクロビル(ゾビラックス)
・フェニトイン(アレビアチン)
・炭酸水素ナトリウム(メイロン)
・塩酸バンコマイシン(塩酸バイコマイシン)

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