看護記録の書き方のキホン

当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。

苦痛緩和ができない終末期の患者さんに対して行われるセデーションについて

セデーションとは、「鎮静」のことです。
苦痛緩和ができない終末期の患者さんに対して、薬を使って意識を意図的に落とし、
精神的にも、身体的にも苦痛を感じなくさせる治療のことを言います。

 

そして、セデーションは、苦痛を取り除くための医療行為であり、
死を目的とした安楽死とは一線を画しますが、
最終的セデーションは、死に至るまで持続的に意識レベルを下げ、
死に伴う痛みを避ける措置として行われるので
安楽死となんら変わらないという議論もあります。

 

このようなことから、終末期におけるセデーションは、
患者さん本人やその家族、医療従事チームメンバーとの間で十分に話し合いを行い、
全員一致で納得した上で採用できるように働きかけることが大切です。

 

そして、セデーションを開始した後も、
患者さんの尊厳に誠実に配慮し、声かけ、環境整備、日常生活の援助、
そして家族へのケアにも心がけることが必要です。

緩和できない苦痛とセデーションについて

セデーションについては、患者さんやその家族に十分な説明をすることが大切です。
その上で、患者さんやその家族の希望が尊重されるよう、配慮していくことが看護師の役割です。

 

終末期であっても、意識を清明に保ちながら苦痛を緩和することができれば
それが最も望ましいのですが、
最新の緩和医療の知識や技術を駆使してケアをしても
全身の倦怠感や呼吸困難、せん妄などによってどうしても緩和できない苦痛が出現することが多々あります。
このような状態になった場合にセデーションを検討します。

セデーション(鎮静)の分類

鎮静の分類
持続的鎮静:中止する時期を予め定めず、意識の低下を継続して維持するセデーションです。

間欠的鎮静:一定期間意識の低下をもたらした後、薬物を中止したり減量したりして、意識の低下しない時期を確保するセデーションです。

鎮静水準
深い鎮静:言語的や非言語的コミュニケーションができない程度の深い意識の低下をもたらすセデーション。

浅い鎮背: 言語的や非言語的コミュニケーションができる程度の、軽度の意識の低下をもたらすセデーション。

看護師としてセデーション開始前にできること

セデーションを考慮する際には、日本緩和医療学会から出されている
「苦痛緩和の鎮静に関するガイドライン」を参考にして、チームで十分に検討することが大切です。

 

実施を行う前には、患者さんや家族、医療チームメンバーで話し合い、
全員一致で納得し、採用を決定できるように働きかけます。

 

患者さんの意思が明確でない場合や、意思決定能力がない場合は、
患者さんが意思表示することができれば何を希望するかを考えて家族と相談します。

 

セデーションを開始する時期は、耐えられないような苦痛やせん妄などによって
患者さんの意思確認をすることが難しい場合も多いため、
早い時期から苦痛の緩和が難しくなった場合、セデーションを望むかどうかについて話し合いをすることも必要です。

 

さらに、患者さんが家族とも話し合いをしておくことができるよう、
日頃からサポートしておく事も大切です。

 

セデーションを開始したとき、持続的な深い鎮静を行うとコミュニケーションがはかれなくなります。
ですから、大切な人に会ったり、伝えたいこと、話しておきたいことなど
患者さんや家族のコミュニケーションに配慮することも大切です。

看護師としてセデーション開始後にできること

セデーション開始前と同じように患者さんの尊厳に配慮し、
声かけや環境整備、日常生活の援助を行います。

 

そして、家族に対するケアとして、家族の心配や不安を傾聴し、
家族が患者のためにできることを患者さんと共に考え、
家族がケアに参加できるように配慮したり、
患者さんの経過について丁寧に説明をしたりする事も大切です。

 

家族が患者さんのためにできることには、
「そばにいること」、「手足に優しく触れること」、「好きだった音楽を流すこと」などがあります。

セデーション(鎮静)の妥当性

この条件が満たされていれば、倫理的に妥当だと言われます。

自立性
  1. 患者さんに意思決定能力がある場合は、益と害について必要な情報を知らせ、その上での苦痛緩和に必要な鎮静を希望する明確な意思表示を得ることが必要です。
  2. 患者さんに意思決定能力がない場合は、患者さんの価値観や以前患者さんが表明していた意思と照らしあわせ、当該の状況で苦痛緩和に必要な鎮静を希望するかどうか検討し、鎮静を希望するであろうことが合理性を持って推定できることが必要です。
  3. 家族の同意が必要です。
相応性
患者さんの苦痛緩和を目指す選択肢は様々なものがありますが、

相対的に最善と評価されるのが「鎮静」です。
ですが、鎮静は患者さんの意識を下げ、
人間的な生活を困難にするという害を伴って苦痛緩和と言う益が得られるものです。
ですから、このような害を伴わずに苦痛緩和を達成することが出来る方法があればそれを実行すべきであり、
方法がない場合で、そのような害を甘んじてでも緩和を必要とするほど苦痛が耐え難い場合に
初めて相対的にセデーションが最善の方法となります。
また、セデーションが相対的に最善である場合であっても、
耐え難い苦痛の緩和が達成できる限り、鎮静を実施する時間は持続的よりも間欠的なほうが、
意識の低下は深いよりもなるべく浅いほうが
コミュニケーション能力が確保できるなど人間的な生活を送ることができるので望ましいです。

苦痛緩和ができない終末期の患者さんに対して行われるセデーション関連ページ

血管確保に最適な部位
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け血管確保に最適な部位についてご紹介します。
血管の探し方
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け血管の探し方についてご紹介します。
真空管採血について
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け真空管採血についてご紹介します。
食事や点滴と検査値への影響
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け食事や点滴と検査値への影響についてご紹介します。
輸血
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け輸血についてご紹介します。
輸液管理(IVH)
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け輸液管理(IVH)についてご紹介します。
中心静脈カテーテル挿入中の清潔
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け中心静脈カテーテル挿入中の清潔についてご紹介します。
輸液フィルタは必要か不要か
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け輸液フィルタは必要か不要かについてご紹介します。
フラッシュはヘパリンロックと生理食塩液のどちらが良い?
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向けフラッシュはヘパリンロックと生理食塩液のどちらが良い?についてご紹介します。
末梢静脈カテーテルの交換について
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け末梢静脈カテーテルの交換についてについてご紹介します。
点滴ルートのエアについて
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け点滴ルートのエアについてについてご紹介します。
滴下が漏れる理由
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け滴下が漏れる理由についてご紹介します。
経腸栄養〜経腸栄養はどのような体位で行うと良いか〜
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け経腸栄養〜経腸栄養はどのような体位で行うと良いか〜についてご紹介します。
経鼻胃管カテーテルやバッグの交換のタイミング
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け経鼻胃管カテーテルやバッグの交換のタイミングについてご紹介します。
血圧測定〜脈拍が触れず血圧が測れないとき〜
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け血圧測定〜脈拍が触れず血圧が測れないとき〜についてご紹介します。
自動血圧計では血圧が高く表示されることがある
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け自動血圧計では血圧が高く表示されることがあるについてご紹介します。
胸腔ドレーン管理〜陰圧をかける理由とは〜
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け胸腔ドレーン管理〜陰圧をかける理由とは〜ついてご紹介します。
胸腔ドレーンを抜く時期
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け胸腔ドレーンを抜く時期についてご紹介します。
ドレーンの位置の確認
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向けドレーンの位置の確認についてご紹介します。
ドレーンからの排液の異常と正常の見分け方
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向けドレーンからの排液の異常と正常の見分け方についてご紹介します。
吸引、排痰〜吸引カテーテルの交換タイミング〜
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け吸引、排痰〜吸引カテーテルの交換タイミング〜についてご紹介します。
吸引を行う間隔
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け吸引を行う間隔についてご紹介します。
気管挿管中の吸引
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け気管挿管中の吸引についてご紹介します。
患者さんへの負担を最小限に吸引を行う方法
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け患者さんへの負担を最小限に吸引を行う方法についてご紹介します。
浣腸・摘便について
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け浣腸・摘便についてについてご紹介します。
膀胱留置カテーテル
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け膀胱留置カテーテルについてご紹介します。
膀胱留置カテーテルによる感染が多い理由
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け膀胱留置カテーテルによる感染が多い理由についてご紹介します。
膀胱留置カテーテルの尿漏れ
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け膀胱留置カテーテルの尿漏れについてご紹介します。
膀胱留置カテーテルの留置時や固定時の注意点
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け膀胱留置カテーテルの留置時や固定時の注意点についてご紹介します。
膀胱洗浄の行い方
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け膀胱洗浄の行い方についてご紹介します。
創傷の治癒経過と消毒の必要性
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け創傷の治癒経過と消毒の必要性についてご紹介します。
手術後のシャワーや入浴について
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け手術後のシャワーや入浴についてについてご紹介します。
術後の少量の出血
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け術後の少量の出血についてご紹介します。
水泡が形成されている場合の創傷ケア
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け水泡が形成されている場合の創傷ケアについてご紹介します。
褥瘡ケア〜体圧分散寝具について〜
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け褥瘡ケア〜体圧分散寝具について〜についてご紹介します。
体圧分散寝具の素材と特徴
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け体圧分散寝具の素材と特徴についてご紹介します。
褥瘡周囲の皮膚のケア
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け褥瘡周囲の皮膚のケアについてご紹介します。
体位変換は2時間ごとに行うと褥瘡を予防できるか
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け体位変換は2時間ごとに行うと褥瘡を予防できるかについてご紹介します。
褥瘡がなくならない理由
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け褥瘡がなくならない理由についてご紹介します。
がん化学療法を始める時の患者さんへの説明
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向けがん化学療法を始める時の患者さんへの説明についてご紹介します。
副作用に関する患者さんへの教育
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け副作用に関する患者さんへの教育についてご紹介します。
抗がん薬の曝露から身を守るには
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け抗がん薬の曝露から身を守るにはについてご紹介します。
オピオイドの選択方法
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向けオピオイドの選択方法についてご紹介します。
オピオイドの使用と眠気に対するケア
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向けオピオイドの使用と眠気に対するケアについてご紹介します。
オピオイドを使用しても体動時に痛みが強い場合
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向けオピオイドを使用しても体動時に痛みが強い場合についてご紹介します。
持続皮下注射での疼痛管理
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け持続皮下注射での疼痛管理についてご紹介します。
「死」を口にする患者さんへのケア
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け「死」を口にする患者さんへのケアについてご紹介します。
誤嚥の危険がある患者さんに対してすること
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け誤嚥の危険がある患者さんに対してすることについてご紹介します。
食事中にむせたら
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け食事中にむせたらについてご紹介します。
安全で嚥下しやすい姿勢
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け安全で嚥下しやすい姿勢についてご紹介します。
とろみをつけるときの注意点
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向けとろみをつけるときの注意点についてご紹介します。
摂食・嚥下障害のある患者さんが生じやすい口腔問題とは
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け摂食・嚥下障害のある患者さんが生じやすい口腔問題についてご紹介します。
口腔内の汚染がひどいとき
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け口腔内の汚染がひどいときについてご紹介します。
口腔内に口内炎や潰瘍、出血などがある患者さんへの口腔ケア
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け口腔内に口内炎や潰瘍、出血などがある患者さんへの口腔ケアについてご紹介します。
適切な人工唾液や保湿剤の使い方
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け適切な人工唾液や保湿剤の使い方習についてご紹介します。
使用後の機器や器具類の感染予防策
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け使用後の機器や器具類の感染予防策についてご紹介します。
下痢や嘔吐がみられる患者さんへの感染予防策
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け下痢や嘔吐がみられる患者さんへの感染予防策についてご紹介します。
小児面会者の感染対策上の対応
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け小児面会者の感染対策上の対応についてご紹介します。
ディスポーザブル製品の取扱い
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向けディスポーザブル製品の取扱いについてご紹介します。
効果的な手洗い方法
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け効果的な手洗い方法についてご紹介します。
手袋を外した後も手洗いが必要
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け手袋を外した後も手洗いが必要についてご紹介します。