看護記録の書き方のキホン

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ドレーンの位置の確認について

胸腔ドレーンがきちんと入っているのか抜けているのかを確認する時には、
X線写真で先端の位置を確認します。

ドレーンの留置部位

胸腔ドレーンの挿入目的により、ドレーン留置部位が異なります。

 

開胸術のあとは、開胸によって空気が胸腔内に混入します。
そして、術操作により滲出液もたまりますから、脱気と排液の両方を目的として胸腔ドレナージを行うため、
ドレーンは肺尖部と肺底部に2本挿入します。

 

「脱気」を目的としたドレーンの挿入は、空気は軽くて臥床時は前胸部側にたまりやすいため、
ドレーンの挿入は第2〜3肋間の前胸部鎖骨中線上から行い、
ドレーンの先端位置は、肺尖部・前胸部側になります。
そして、脱気の場合は、ドレーンが詰まることがあまり無いため、
ドレーンのサイズは20〜22Frの細めのものを使用します。

 

「排液」を目的としたドレーンの挿入は、液体は重くて臥床時は背側にたまりやすいため、
ドレーンの挿入は第5〜6肋間の中腋窩線上から行い、
ドレーンの先端位置は、肺底部・背側になります。
そして、排液の場合は、ドレーンがつまりやすいため、
ドレーンのサイズは28Fr以上の太めのものを使用します。

X線写真による確認を行う

胸腔ドレーンの挿入位置は、X線写真で目的の位置に先端が位置されているかを確認します。
そして、留置部位がずれているといけないので、前回のX線写真と位置のずれがないかを確認します。

ドレーンの固定

胸腔ドレーンは2箇所で固定をします。

 

固定テープは中央から外側へ圧を均一にし、
ドレーン全周にテープを密着させてテープがドレーンから剥がれにくいΩ(オメガ)型固定をします。
補強法のテープをさらに貼ることで固定力がUPします。
固定部位の皮膚にマジックでマーキングをして、マーキングのズレが生じていないかを確認します。
皮膚が脆弱など場合によって、皮膚保護剤を貼付します。
挿入部がガーゼなどで見えないときには見えている部分にマーキングをすることで、
長さやマーキングのズレから位置異常を確認することができます。

 

常に胸腔ドレーンが引っ張られていないか、固定のテープが外れていないかなどを確認し、
包帯を交換するときには縫合糸が外れていないかも確認します。

ドレーンの逸脱が疑われる場合

ドレーンの逸脱がないかどうかを確認することはとても大切です。
特に、体位変換や体動などの後は必ず確認してください。

 

水封部の呼吸性移動の消失は、肺の完全膨張だけでなく、
ドレーンの逸脱によっても生じます。
特に、突然呼吸性移動の消失が見られた時は、まずドレーンの逸脱を疑います。

 

また、突然のエアリークの出現もドレーン逸脱を疑います。
エアリークが出現した場合は、固定位置の確認をし、
医師へ報告してX線写真でドレーン先端部の位置を確認します。

予定外に抜去してしまった時の対応

胸腔ドレーンが、予定外に抜去してしまった場合はとても危険です。
例えば、抜去部から大気を吸い込んでしまうため気胸になりますし、
充分な換気を行うことが出来ず呼吸状態が悪化します。

 

ですから、予定外にドレーンが抜けてしまった場合は、
抜去部を清潔なガーゼなどで圧迫して固定し、
大至急医師へ報告します。
可能であれば、患者さんのそばから離れたくないので、
医師への報告はほかのスタッフに依頼し、
患者さんのそばで、患者さんにあわてないように指示し、
安静にゆっくり浅い呼吸をするように促します。

 

そして、患者さんの意識や呼吸状態、循環や皮下気腫などがあるか、ないかを確認し、
医師到着後、胸部X線写真を撮り、まず、気胸の有無を確認し、必要であれば酸素量も確認します。
その後、抜去部を縫合するか、再ドレナージを行うかの判断がされます。

 

医師の到着が遅い場合は、緊張性気胸に注意しなければなりません。

 

ガーゼで挿入口をふさいでしまうと、吸い込んだ空気が胸腔内に貯留します。
そのため緊張性気胸状態になるリスクがあるので、医師がすぐに到着できない、
気胸となり呼吸が悪化した場合は、緊急時の対処を行います。

 

緊急時の対処とは、救急隊が病院搬送までの応急処置として行っている
「3辺テーピング」です。

 

3辺テーピングは、挿入部をビニールで覆って、その周囲3辺をテープで固定します。
すると開放部の一方が弁となり、吸気時の空気の吸入を防ぎ、呼気時はテープを貼っていない側から排出されます。
そして、開放してある1辺を側胸部側など下方にすると血液や滲出液がたまるのを防ぐことが出来ます。

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