看護記録の書き方のキホン

当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。

フラッシュはヘパリンロックと生理食塩液のどちらが良い?

「ヘパリンロックと生理食塩液でのフラッシュはどちらが良いのか?」と言うことに関して様々な見解がありますが、
「患者さんの状況に合わせて各施設で検討すること」とされています。

 

副作用の問題や経済的な問題などによって、ヘパリンロック(ヘパロック)について疑問視されています。

 

末梢静脈輸液ラインの開存性を保つためには、
生理食塩液でのフラッシュ(生食ロック)で充分であるという報告が多くあることから、
国内では生食ロックを行う施設が多くなっています。

ヘパリンロックが行われる理由

臨床現場では、間欠的に抗菌薬などの薬剤を一日に数回投与する場合があります。
このような場合、ルートがつまらないようにするために24時間生理食塩液などの薬液を
一定のスピードで点滴することがあります。

 

患者さんは一日中点滴チューブに繋がれたままで行動制限を受けるため、
多大な苦痛を生じます。

 

また、簡潔的な薬物投与のために、その都度針をさすのも患者さんにとって苦痛です。
まして血管確保が困難な患者さんにとって、その都度針を何度もさされることになるため、
その苦痛は想像を絶するものです。

 

このようなことから、患者さんの苦痛を少しでも軽減させることを目的として考案されたのが「ヘパロック」です。

 

点滴の終了後に抗凝固薬であるヘパリンを使用し、
点滴留置針内の血液凝固を防ぐ方法が「ヘパロック」です。
ヘパロックすることによって、血液凝固のリスクが減少し、
針の刺しなおしの回数が随分抑えられるようになるなど、
1970年代頃から有用性が報告されるようになり、
現在でも医療現場で行われています。

 

ヘパロックが普及したことにより、頻繁に針を刺される苦痛から患者さんは解放されるようになりました。
また、点滴を休止する時には、チューブに繋がれた状態から開放され、自由に活動することができるなど
患者さんの負担は大きく軽減し、QOL(クオリティーオブライフ・生活の質)につながっています。

生理食塩液ロックへの変更

ヘパロックは1970年代ごろから広く行われてきました。
ですが1996年のCDCガイドラインで、
「生食ロックは末梢カテーテルを開存させ、静脈炎を減少させるのにヘパリンを使用した場合と同じ効果がある。」
また、「ヘパリンはkテーテル上のコアグラーゼ陰性ブドウ球菌の増殖を助ける」と報告されました。

 

さらに、ヘパリンの使用による出血やHIT(ヘパリン起因性血小板減少症)、感染などの副作用にも着目されるようになりました。

 

このようなことが背景となってヘパロックは生食ロックに変更されるようになってきました。

ヘパロックと生食ロックのどちらが有効か

ヘパロックと生食ロックのどちらが有効かと言うことに関しては、
どちらが良いのか結論がでていません。

 

開存性(点滴ルートが詰まらないようにすること)や感染に関して、
ヘパロックと生食ロックは検討方法が異なります。

 

研究においても、一概に比較することができないことが指摘され、
CDCガイドライン(2002年改定)では、
生食ロックの有用性を示す一文が削除されています。

 

ですが、生食ロックには大きな副作用はありませんが、
ヘパリンロックでは副作用に関する問題が指摘されています。
安易にヘパロックを行いカテーテルを留置しておくことは望ましいことではありません。
生食ロックであっても、カテーテルの留置しておくことが望ましいかと言うとそうでもありません。

 

以上のことから、
「ヘパロックと生食ロックのどちらが有効か」と言う問題に関しては、
各施設が患者さんの状態に合わせてヘパロックにするのか、生食ロックにするのかを検討し、
ルートが不要と判断した場合は容易にヘパロックや生食ロックをするのではなく、
迅速に抜居することが重要です。

フラッシュはヘパリンロックと生理食塩液のどちらが良い?関連ページ

血管確保に最適な部位
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け血管確保に最適な部位についてご紹介します。
血管の探し方
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け血管の探し方についてご紹介します。
真空管採血について
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け真空管採血についてご紹介します。
食事や点滴と検査値への影響
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け食事や点滴と検査値への影響についてご紹介します。
輸血
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け輸血についてご紹介します。
輸液管理(IVH)
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け輸液管理(IVH)についてご紹介します。
中心静脈カテーテル挿入中の清潔
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け中心静脈カテーテル挿入中の清潔についてご紹介します。
輸液フィルタは必要か不要か
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け輸液フィルタは必要か不要かについてご紹介します。
末梢静脈カテーテルの交換について
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け末梢静脈カテーテルの交換についてについてご紹介します。
点滴ルートのエアについて
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け点滴ルートのエアについてについてご紹介します。
滴下が漏れる理由
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け滴下が漏れる理由についてご紹介します。
経腸栄養〜経腸栄養はどのような体位で行うと良いか〜
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け経腸栄養〜経腸栄養はどのような体位で行うと良いか〜についてご紹介します。
経鼻胃管カテーテルやバッグの交換のタイミング
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け経鼻胃管カテーテルやバッグの交換のタイミングについてご紹介します。
血圧測定〜脈拍が触れず血圧が測れないとき〜
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け血圧測定〜脈拍が触れず血圧が測れないとき〜についてご紹介します。
自動血圧計では血圧が高く表示されることがある
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け自動血圧計では血圧が高く表示されることがあるについてご紹介します。
胸腔ドレーン管理〜陰圧をかける理由とは〜
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け胸腔ドレーン管理〜陰圧をかける理由とは〜ついてご紹介します。
胸腔ドレーンを抜く時期
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け胸腔ドレーンを抜く時期についてご紹介します。
ドレーンの位置の確認
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向けドレーンの位置の確認についてご紹介します。
ドレーンからの排液の異常と正常の見分け方
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向けドレーンからの排液の異常と正常の見分け方についてご紹介します。
吸引、排痰〜吸引カテーテルの交換タイミング〜
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け吸引、排痰〜吸引カテーテルの交換タイミング〜についてご紹介します。
吸引を行う間隔
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け吸引を行う間隔についてご紹介します。
気管挿管中の吸引
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け気管挿管中の吸引についてご紹介します。
患者さんへの負担を最小限に吸引を行う方法
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け患者さんへの負担を最小限に吸引を行う方法についてご紹介します。
浣腸・摘便について
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け浣腸・摘便についてについてご紹介します。
膀胱留置カテーテル
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け膀胱留置カテーテルについてご紹介します。
膀胱留置カテーテルによる感染が多い理由
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け膀胱留置カテーテルによる感染が多い理由についてご紹介します。
膀胱留置カテーテルの尿漏れ
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け膀胱留置カテーテルの尿漏れについてご紹介します。
膀胱留置カテーテルの留置時や固定時の注意点
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け膀胱留置カテーテルの留置時や固定時の注意点についてご紹介します。
膀胱洗浄の行い方
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け膀胱洗浄の行い方についてご紹介します。
創傷の治癒経過と消毒の必要性
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け創傷の治癒経過と消毒の必要性についてご紹介します。
手術後のシャワーや入浴について
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け手術後のシャワーや入浴についてについてご紹介します。
術後の少量の出血
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け術後の少量の出血についてご紹介します。
水泡が形成されている場合の創傷ケア
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け水泡が形成されている場合の創傷ケアについてご紹介します。
褥瘡ケア〜体圧分散寝具について〜
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け褥瘡ケア〜体圧分散寝具について〜についてご紹介します。
体圧分散寝具の素材と特徴
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け体圧分散寝具の素材と特徴についてご紹介します。
褥瘡周囲の皮膚のケア
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け褥瘡周囲の皮膚のケアについてご紹介します。
体位変換は2時間ごとに行うと褥瘡を予防できるか
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け体位変換は2時間ごとに行うと褥瘡を予防できるかについてご紹介します。
褥瘡がなくならない理由
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け褥瘡がなくならない理由についてご紹介します。
がん化学療法を始める時の患者さんへの説明
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向けがん化学療法を始める時の患者さんへの説明についてご紹介します。
副作用に関する患者さんへの教育
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け副作用に関する患者さんへの教育についてご紹介します。
抗がん薬の曝露から身を守るには
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け抗がん薬の曝露から身を守るにはについてご紹介します。
オピオイドの選択方法
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向けオピオイドの選択方法についてご紹介します。
オピオイドの使用と眠気に対するケア
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向けオピオイドの使用と眠気に対するケアについてご紹介します。
オピオイドを使用しても体動時に痛みが強い場合
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向けオピオイドを使用しても体動時に痛みが強い場合についてご紹介します。
持続皮下注射での疼痛管理
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け持続皮下注射での疼痛管理についてご紹介します。
「死」を口にする患者さんへのケア
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け「死」を口にする患者さんへのケアについてご紹介します。
苦痛緩和ができない終末期の患者さんに対して行われるセデーション
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け苦痛緩和ができない終末期の患者さんに対して行われるセデーションについてご紹介します。
誤嚥の危険がある患者さんに対してすること
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け誤嚥の危険がある患者さんに対してすることについてご紹介します。
食事中にむせたら
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け食事中にむせたらについてご紹介します。
安全で嚥下しやすい姿勢
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け安全で嚥下しやすい姿勢についてご紹介します。
とろみをつけるときの注意点
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向けとろみをつけるときの注意点についてご紹介します。
摂食・嚥下障害のある患者さんが生じやすい口腔問題とは
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け摂食・嚥下障害のある患者さんが生じやすい口腔問題についてご紹介します。
口腔内の汚染がひどいとき
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け口腔内の汚染がひどいときについてご紹介します。
口腔内に口内炎や潰瘍、出血などがある患者さんへの口腔ケア
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け口腔内に口内炎や潰瘍、出血などがある患者さんへの口腔ケアについてご紹介します。
適切な人工唾液や保湿剤の使い方
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け適切な人工唾液や保湿剤の使い方習についてご紹介します。
使用後の機器や器具類の感染予防策
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け使用後の機器や器具類の感染予防策についてご紹介します。
下痢や嘔吐がみられる患者さんへの感染予防策
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け下痢や嘔吐がみられる患者さんへの感染予防策についてご紹介します。
小児面会者の感染対策上の対応
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け小児面会者の感染対策上の対応についてご紹介します。
ディスポーザブル製品の取扱い
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向けディスポーザブル製品の取扱いについてご紹介します。
効果的な手洗い方法
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け効果的な手洗い方法についてご紹介します。
手袋を外した後も手洗いが必要
復職セミナーを受けようと思っている看護師さん向け手袋を外した後も手洗いが必要についてご紹介します。