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口腔ケア

口腔ケアとは、歯磨きや入れ歯のお手入れをすることによって
口の病気を防いだり、誤嚥を予防したりすることです。
また、咀嚼機能や舌の動きを回復させることを目的としたリハビリをする事も口腔ケアのひとつです。

 

摂食・嚥下障害のある患者さんに対しての口腔ケアは、
単に汚れを取るということだけでなく、
口腔内にある炎症のケアをしたり、人工唾液や保湿剤を使用してケアをするなどをして、
自立や生活の質を向上させることを目的として行われます。

摂食・嚥下障害のある患者さんが生じやすい口腔問題とは

摂食・嚥下障害のある患者さんは、食べ物の残渣や唾液の減少などによって
口腔内が不潔になりやすく、
口腔乾燥や口腔内の炎症も起こしやすくなります。

 

また、咀嚼筋や表情筋が萎縮したり、
口腔内細菌が増加することによって誤嚥性肺炎や全身感染症などの合併症を生じる事もあります。

器質的病変・機能的障害

摂食・嚥下障害は、その病態の生理より解剖学的な問題と生理学的な問題に分けられます。

 

解剖学的な問題である「気質的病変を伴う」場合は、
嚥下関連器官の腫瘍や外傷、炎症や変形性頚椎症などが原因として挙げられます。

 

生理学的な問題である「機能的障害」の場合は、
脳血管障害や神経筋接合部疾患、廃用症候群などが原因として挙げられます。

唾液のはたらき

口腔には自浄作用があります。

 

そして、咀嚼→唾液の分泌→嚥下→消化と言う一連の流れがあり、
その流れによって自浄作用は円滑に機能します。

 

ですが、何らかの原因によって摂食・嚥下障害が生じると、
本来の口腔機能が損なわれ、
口腔周囲筋の筋萎縮、口腔内の自浄作用の低下を生じます。

 

この結果として、口腔内乾燥や粘膜の炎症、
食べ物や唾液が口腔内に貯留するなどの症状が起き、
肺炎や感染症の原因となります。

 

唾液の分泌が低下することにより、
口腔粘膜は乾燥し、傷つきやすくなり、う蝕(虫歯)の原因にもなります。
傷ついた粘膜は、潰瘍を形成したり、感染をおこすことがあるので、
適切な口腔ケアが必要です。

 

そして、口腔問題や口腔ケアを考えるときには、
唾液のはたらきについても理解しておくことが大切です。

 

(唾液のはたらき)
咀嚼や嚥下の補助作用、抗菌作用、洗浄作用、消化作用、水分代謝の調節作用、
構音時の円滑作用、歯及び粘膜の保護作用、緩衝作用、溶解作用などがあります。

細菌増殖の原因

食物の残渣は、細菌増殖の原因となります。

 

ですから、経口摂取をしている場合は、
食物残渣などが口腔内に残らないようにケアが必要です。
また、経口摂取をしていない場合でも、
口腔内の細菌は唾液や歯肉溝からの滲出液を栄養源として増殖するため、
ケアが必要です。

 

特に高齢者や介護依存度が高い患者さん、高次脳機能障害や認知症の患者さんは、
口腔内の衛生に対する自覚が乏しいため、
口腔内を清潔に保つための行為や行動が難しくなります。

 

その結果、口腔内の問題を増加させる事もあるので、
「口腔内全体に炎症があり、軟口蓋に痰が付着している場合」や、
「黄色の痰が歯や歯肉全体に付着し、口臭が強く、口腔内の乾燥が明らかである場合」、
「口腔内全体に炎症があり、口唇の乾燥があるので皮がむけ、口角に亀裂がある場合」などは、
適切な口腔ケアを行わなければなりません。

口腔ケアの実際

口腔ケアの基本は、「保湿に始まり保湿に終わる」というものです。

 

舌苔や口腔内汚染の原因になる食物残渣や歯垢をきれいに除去し、
口腔内を清潔に保つことができるように口腔ケアを実施します。

 

また、唾液の分泌が保たれるよう、
口腔内の乾燥が防止できるよう、
自浄作用を高めることができるような関わりが必要です。

 

  1. 安全な体位・安楽な体位を保持する姿勢を整え、リクライニング位や座位など安全で安楽な体位にします。

    リクライニング位・座位どちらの場合も、頸部は前屈位とします。

  2. 患者さんへの説明を行う実施内容について理解と協力を得られるようにするため、

    分りやすく患者さんに説明をしてから実施します。

  3. 清潔を保持し、保湿する

    口腔粘膜に付着した気道内分泌物や食物残渣などの汚れを除去します。
    口腔内が乾燥している場合には保湿剤などを使用して浸潤させてから分泌物を除去します。

  4. 口腔内の清掃

    歯ブラシによる口腔内の機械的清掃を行います。

     

    • 口唇、頬、歯茎などにタッチしながら口腔内に静かに歯ブラシを入れます。
    • ベングリップ式は加圧振動操作ができるので、歯ブラシはベングリップで持って行います。
    • 歯面に垂直にあてて、歯と歯肉の境目に確実に毛先が当たるようにします。
    • 磨き残しがないように、小刻みに丁寧にブラッシングをします。
    • 徐々に患者さんが自力でできるよう、口腔ケアの動作を誘導したり、補助したりしながらセルフケアの拡大を目指します。

  5. 汚れを残さないように含嗽

    口腔内に汚れを残さないように含嗽します。
    座位で汚水を吐き出すときには上体を前傾させて、誤嚥しないように注意します。
    口腔内の汚水を自分で吐き出すことができない場合は、非麻痺側の口角を指で開いて
    お水を流出させたり、ティッシュペーパーやガーゼでふき取ります。

  6. 終了後の処置

    口腔ケアを終了したら、使用物品は洗浄して乾燥させます。

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