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適切な人工唾液や保湿剤の使い方

人工唾液や保湿剤は、口腔乾燥症に対する対症療法として使用されますが、
口腔乾燥の原因に応じた対応策と併用することが大切です。

 

人工唾液は医薬品ですが、本来の目的にあった対象は限られています。
そして保湿剤も製品によってその特製は異なります。

人工唾液と保湿剤の特徴と使用法

人工唾液:サリベート
人工唾液は医薬品です。

ですから医師の処方が必要です。

 

人工唾液は、シェーグレン症候群による口腔乾燥症や頭頸部の放射線照射による
唾液腺障害に基づく口腔乾燥症に効果があります。

 

健常者の唾液成分を基本に作られているので、
重度の口腔乾燥患者さんには口腔乾燥状態の改善効果は少なく、
水と同じような効果しかありません。

 

使用法は、通常は一回に1〜2秒間、口腔内に4〜5回/日噴霧します。

保湿剤
保湿剤のほとんどは、口腔用化粧品に分類されます。

 

グリセリン、ベタイン、ヒアルロン酸、水添デンプンなどの湿潤成分が含まれている保湿剤が
数種類市販されていて、形態はジェルタイプ、スプレータイプ、洗口液(含嗽タイプ)等があります。

 

そして製品によって含まれている成分が異なるため
流動性や保湿効果の持続性・停滞性などの特製を理解し、
口腔乾燥の状況に合わせて使用すると効果的です。

 

保湿剤の使用方法は、手の甲に保湿剤を適量出して指で伸ばしてから口腔粘膜に薄く塗ります。

 

その際、頬や口唇の内側を伸ばすように動かしながら塗ると
口腔周辺筋のストレッチ効果も得られ、
唾液の分泌を促す効果も得られます。

 

指の代わりに粘膜清掃ブラシなどを使用して塗る方法もあります。

人工唾液・保湿剤を使用する前に確認すること

口腔乾燥の原因には、「唾液分泌量の低下」、「口腔機能の低下」、「薬物による副作用」、
「放射線治療による影響」、「シェーグレン症候群などの全身疾患」、「口呼吸」、「室内の乾燥」等があり、
いくつかの原因が複合して口腔乾燥が起きることが多くあります。

 

人工唾液や保湿剤を使用する前に口腔乾燥を引き起こしている原因を探り、
人工唾液や保湿剤の使用以外の対応策をまず検討することが大切です。

保湿剤使用時の注意点

保湿剤は使用のたびに口腔内に残った保湿剤をいったん除去してから新たに塗ります。
保湿剤は塗布後、時間が経過すると表面が乾燥し、硬くなってしまいます。

乾燥し、硬化した保湿剤を除去しないでケアのために保湿剤を上塗りすると、
層が厚くなり汚れの除去が難しくなります。

 

また、保湿剤の腐敗や変質によって口臭などの二次的な問題も起きるリスクが高くなります。

口腔周囲が乾燥したままでケアを開始しないようにします。
口腔乾燥が強い患者さんの口腔ケアに使用をする場合は、

口腔周囲が乾いたままの上体で開口すると痛みや出血の原因になります。

 

ですからまず保湿剤を口唇や口角に塗って保湿してからケアをします。

 

口腔内に乾燥した汚れの付着が著しい場合は、
口腔ケアの前に口蓋や舌に保湿剤を塗って、
時間を置いて汚れが浮いたところで粘膜清掃ブラシやスポンジを使用し手除去します。

口腔ケア終了後は、口腔全体に保湿剤を薄く塗っておきます。
 

口腔乾燥を引き起こしている原因への対応

  1. 唾液分泌が低下し口腔乾燥している場合

    唾液分泌が低下している患者さんには、口腔体操や唾液腺マッサージを行うことで
    唾液分泌を促す効果が得られます。

     

    唾液腺マッサージは、
    人間の三大唾液腺である耳下腺(耳の下、頬骨の突出部のすぐ内側)、
    顎下腺(下顎骨の左右の突出部から3cmくらい内側)、
    舌下腺(下のつけ根の真下で、下顎先端の内側付近)のある位置を1〜2分両手で刺激します。

    耳下腺刺激
    示指から小指までの4本の指を耳下腺に当てて、上の奥歯辺りを刺激します。
    舌下腺刺激
    両手の母指をそろえて顎の真下から舌を突き上げるように押します。

    介助者が行う場合は、舌を上に押すときに頸部が後屈しないように頭を支えて行います。

    顎下腺刺激
    下顎の骨の3cmくらい内側に親指を当てて押します。
  2. 口呼吸による唾液蒸発のため口腔乾燥している場合

    口呼吸によって蒸発し、口腔が乾燥している場合は、
    保湿剤の使用だけでなくマスクを着用したり加湿器を使用すると乾燥予防効果が得られます。

  3. 薬物の副作用のため口腔乾燥している場合

    抗うつ薬、抗不安薬、抗精神病薬、抗パーキンソン薬、抗コリン薬、利尿薬、降圧薬などは
    口腔乾燥を引き起こす可能性のある薬物の一部です。
    可能であれば、副作用が少ない薬物への変更や減量について医師と相談し検討します。

*シェーグレン症候群とは、涙腺や唾液腺など全身の外分泌腺が、自己免疫機構の異常によって壊れていく病気です。

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